2年を超える戦争で兵力不足に苦しめられているウクライナ政府が、海外に居住している入営年齢層の男性に対する領事業務を停止する。彼らに帰国するよう圧力をかけて兵役忌避を防ぐというものだ。
ウクライナ外務省は23日(現地時間)に公示を出し、18歳から60歳の男性に対する領事業務を一時的に停止することを明らかにした。期限が満了したパスポートの更新などを含む必須のサービスを受けることができなくなる。ドミトロ・クレバ外相は、ウクライナ人の権利を保護することは依然として重要だが、「最も重要なことは、破壊からわが祖国を守ること」だとし、このように明らかにした。BBCが報じた。
ウクライナ議会は11日、徴集忌避者への処罰を強化し、令状を電子システムで渡す権限を拡大する内容を骨子とする軍動員法を可決した。来月から施行されるこの法によって、18歳から60歳までのウクライナのすべての男性は、60日以内に軍登録事務所に行って個人情報を更新しなければならないが、それに必要な書類を国外では発行できないようにした。ウクライナは今春のロシアの攻撃に備え、追加兵力50万人の動員を目標に立てている。先月初めには、徴集年齢の下限を27歳から25歳に下げた。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、数週間以内にロシアの全面的な攻撃が予想されることを明らかにした。2月の東部ドネツク州の激戦地であるアウディーイウカがロシアによって完全に陥落した後、戦況はウクライナ側に不利になっている。特に来月9日は、旧ソ連が第2次世界大戦でナチス・ドイツを降伏させたこと記念する戦勝記念日で、ウクライナはその頃にロシアが攻撃を強化すると予想している。
ウクライナは戦争開始直後、18歳以上の男性の出国を止める戒厳令を宣言している。しかし、その後に出国したウクライナ人の規模は640万人に達すると、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が明らかにした。欧州連合(EU)統計庁は、EU域内の国に移住したウクライナ人は430万人と推定し、そのうち20.6%は男性と分類した。
20日の米下院に続き、23日には米上院が608億ドル規模のウクライナ軍事・経済支援案を可決し、財政不足の状況はひとまず補充されることになった。BBCは「しかし、キーウ(ウクライナ)が1000キロメートル以上にわたり伸びている戦線を防衛するためには、新たな人材が必須だ」と報じた。