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米軍の支援到着前に…ロシア、ウクライナ第2の都市に侵攻

登録:2024-04-24 06:21 修正:2024-04-24 06:55
ゼレンスキー大統領「人が住めないようにしようとしている」
ウクライナ警察が22日(現地時間)、ロシアのミサイル攻撃で倒壊したハルキウの放送送信塔の残骸を調査している=ハルキウ/ロイター・聯合ニュース

 ロシア軍が、ウクライナに対する米国の追加の軍事支援の前に戦争で確固たる優位を確保するため、猛攻撃を続けている。ウクライナ第2の都市ハルキウを無力化するための空爆作戦と、東部ドネツク州での地上戦の要所を占領するための大規模兵力の投入に集中している状況だ。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は22日(現地時間)、ロシア軍が東北部の国境近くの都市ハルキウを人が住めないところになるまで空爆を続け、この日は高さ240メートルの放送送信塔が破壊されたことを明らかにした。ロイター通信などが報じた。

 ウクライナ特殊通信局は、送信塔にロシア軍の空対地巡航ミサイルKh59が当たり、塔の上部が破壊されたとして、これによってテレビ放送の送出が一時中断されたと明らかにした。ハルキウ州のオレグ・シネグボウ知事は、送信塔で働く職員は待避所に避難しており、人命被害はなかったと述べた。送信塔の破片が落ちて周辺の建物も大きく破損したとロイターが報じた。

 ゼレンスキー大統領は、SNSのテレグラムに「この都市を人が住めないところにしようとするロシアの意図は明らかだ」と投稿した。同大統領はさらに、同日夜の演説で、今回の攻撃が「都市全体に恐怖を広げるための明白な脅迫の試みであり、ハルキウの通信と情報へのアクセスを抑制しようとする試み」だと規定した。

 ハルキウは首都キーウに次ぐウクライナで2番目に大きい都市で、人口は130万人だ。ハルキウはロシア国境から30キロメートルほど離れており、ロシア軍は最近、ミサイルとドローンでハルキウを集中攻撃している。ロシアでは安全保障のために国境近くのウクライナ地域に「緩衝地帯」を設ける必要があるという主張が出てきており、ハルキウへの集中攻撃が緩衝地帯構築の試みの一部である可能性も提起されている。

 ロシア軍は、東部ドネツク州での地上戦闘で優位を確保するため、この地域の中心的な橋頭堡であるチャシブヤールへの攻撃も強化している。ウクライナ軍はこの日、ロシア軍がチャシブヤール占領作戦に2万~2万5000人の兵力を投入していると明らかにした。東部司令部のナザル・ボロシン報道官はこのように報告しつつも「この地域周辺の状況は難しいが、状況は統制可能な水準」だと述べた。

 チャシブヤールは、ロシア軍が昨年5月に占領したこの地域の主要都市であるバフムトから西に5~10キロメートル離れた高地帯であり、ロシア軍に占領された場合、ウクライナ軍が守るドネツク州西部地域も危険になる可能性がある。ロシア軍は、自国の第2次世界大戦の勝利記念日である5月9日までにチャシブヤールを占領しようと試みている。

 米下院が20日に608億ドル規模のウクライナ支援予算案を通過させ、米国の追加軍事支援が差し迫るなか、欧州連合(EU)の追加軍事支援は遅れている。EU加盟国は22日、ルクセンブルクで外務・国防相会議を開き、パトリオットミサイルシステムの支援を議論したが、合意には至らなかった。

 EUのジョセップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表はこの日の会議の後、「ブリュッセル(EU本部)にはパトリオットミサイルはなく、各国の首都にある。決定は彼らにかかっていた」と述べ、EUレベルでの支援の合意が失敗に終わったことを示した。

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1137768.html韓国語原文入力:2024-04-23 14:17
訳M.S

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