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食料の配給を待つ住民に「ヘリ射撃」…ガザ地区で280人が死傷

登録:2024-03-15 23:29 修正:2024-03-16 07:37
ガザ地区保健省「イスラエルによって計画された大虐殺」
14日、ガザ地区最南端の都市ラファで住民たちが食料の配給を受けるために集まっている=ラファ/新華社・聯合ニュース

 イスラムの断食月ラマダンが始まってから4日目、ガザ地区で食料の配給を待っていたパレスチナ住民に対するイスラエル軍(IDF)の攻撃が2件発生し、少なくとも29人が死亡した。

 ロイター通信とアルジャジーラなどの14日付報道によると、ハマスが運営するガザ地区保健省は、ガザ地区北部の交差点で食糧の配給を受けるために救援物資のトラックの周辺に集まった人々にイスラエル軍が銃撃を行い、少なくとも21人が死亡し150人が負傷したと発表した。

 ガザ地区保健省はこの攻撃を「事前に計画された新たな大虐殺」だと批判した。目撃者たちはこの日、住民数千人があちこちから救援物資を手に入れるため交差点に集まったが、この群衆に向かってヘリコプターから爆弾が飛んできて銃撃が始まったと新華社通信に語った。

 これに加え、ガザ地区中部の人口5万人規模の都市ヌセイラットでもイスラエル軍の空爆が発生した。ヌセイラット難民キャンプの配給センターに対するイスラエル軍の空襲により、8人が死亡した。

 イスラエル軍のアラブ圏担当のアビチェイ・アドレイ報道官は同日、ソーシャルメディアのX(旧ツイッター)に「14日午後、人道的配給場所でイスラエル軍がガザ住民数十人を標的にしたという報道は誤りだ」とし、この日の攻撃を否定した。さらに「事故の詳しい内容について調査中」だとしたうえで、「メディアは信頼できる情報だけを報道すべきだ」と述べた。

 食料の配給を待っている住民に対するイスラエル軍の攻撃は、先月29日以降相次いでいる。先月29日、ガザ市付近で救援物資のトラックの周辺に集まったガザ住民100人余りがイスラエル軍の銃撃によって、またはこれを避けようとしてトラックに轢かれて死亡した。

 攻撃が絶えない状況で、ハマスはこの日の夜、新たな休戦交渉案を仲裁国に提示した。新たな交渉案は、イスラエルの攻撃中止と撤退▽人道支援の提供▽難民たちの帰郷などを求めている。しかし、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はこの日、「ハマスの新たな交渉案は非現実的な要求に基づいている」と否定的な立場を示した。

 イスラエルはガザでの戦闘行為の中止を拒否し続けている。イスラエル首相室は声明で、「彼ら(ハマス)は依然として受け入れられない要求を掲げている。彼らは進展を望んでいない」と批判した。

 イスラエルとハマスの戦争が160日にわたって続く中、ハマスが運営するガザ地区保健省は、昨年10月7日の戦争勃発から今月14日まで、計3万1341人のパレスチナ住民が死亡し、7万3134人が負傷したと発表した。

キム・ミヒャン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1132410.html韓国語原文入力: 2024-03-15 20:43
訳H.J

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