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餓死した23人のガザの子どもたちの背後には数十万人の苦痛…飢餓も虐殺だ

登録:2024-03-13 07:46 修正:2024-03-13 08:14
国連・メディア、病院に入院中に亡くなった飢餓・脱水の死亡者だけで27人 
80%以上は幼い子ども…「イスラエルによる食糧空輸遮断」に非難
先月16日(現地時間)パレスチナ・ガザ地区のラファで子どもたちが配給を受けるために並んでいる/AP・聯合ニュース

 イスラエル国防軍(IDF)がパレスチナのガザ地区に搬入される人道主義的な援助物資を遮断しているなか、飢餓で死亡したガザ住民が確認されただけで30人に迫り、イスラエルを批判する国際社会の声が広がっている。

 国連人道問題調整事務所(OCHA)は11日(現地時間)、「ガザ地区とイスラエルでの敵対行為報告書」を通じて、パレスチナのガザ地区の住民25人が栄養失調や脱水によって死亡したことを報告した。OCHAが集計した死亡者のなかには、9月にガザ地区最大の病院であるアル・シファ病院で死亡した子ども3人と、生後2カ月の子ども、20歳の女性などが含まれている。特に、死亡者の80%を超える21人が幼い子どもたちだった。あわせてこの日、アルジャジーラは、ガザ北部のカマル・アドワン病院で子ども2人が飢餓で死亡し、栄養失調や脱水によるガザ地区での死亡者は27人に増えたと報道した。

 しかも、この数は病院に入院した状態で死亡した患者だけを集計したものだ。ガザ地区全域で飢えで死亡した人の実際の数は、これよりはるかに多いものとみられる。

 OCHAは、ガザ地区北部の2歳未満の子どもの16%が急性栄養失調で苦しんでおり、ガザ最南端地域であるラファだけでも、2歳未満の子どもの5%が栄養失調状態にあると述べた。国際的な児童権利に関する非政府機構(NGO)であるセーブ・ザ・チルドレンは、「ガザ地区の子どもたちはすでに栄養失調で死につつある」として、「休戦と人道支援、援助物資の自由なガザ地区への搬入」を繰り返し求めた。支援団体は、飢餓に直面したガザ地区の住民はすでに数十万人に達するとみている。さらに、ガザ北部では2000人ほどにのぼる医療スタッフまで飢謹に直面していると、世界保健機関(WHO)が明らかにした。

 世界食糧計画(WFP)は「妊産婦と子どもの90%が多様な食材を摂取できないなどの悪影響を受けている」として、「ガザ地区の栄養失調危機は、食糧、飲料水、保健サービスの深刻な欠乏によって、前例のない勢いで加速している」と警告した。OCHAも深刻な状況を示すかのように、8日からの日々の報告書に、栄養失調や脱水など飢餓で死亡したガザの住民数を統計に加えている。

 イスラエルに責任を問う国際社会の声も高まっている。パレスチナ自治政府のムハンマド・シュタイエ首相は「ガザの住民たちに対する(イスラエルの)集団虐殺だけでなく、『飢餓戦争』によって毎日数百人の命が犠牲になっており、大部分は子どもと女性」だと非難した。これに先立ち8日には、国連の食料の権利に関する特別報告者であるマイケル・ファクリ氏が「イスラエルが食糧と飢餓を武器に用いている」とし「(イスラエルが意図的にガザ住民への食糧を遮断する行為は)疑う余地のない大量虐殺」だと述べた。「パレスチナ・クロニクル」が報じた。

 ガザ戦争を主導しているベンヤミン・ネタニヤフ首相は、こうした声にもかかわらず、ガザ地区全体の人口230万人のうち半数以上である140万人が密集するラファを本格的に攻撃すると脅しをかけた。ネタニヤフ首相は11日の番組でのインタビューで、「(今回の戦争では)イスラエルかハマスだけであり、中間はない」としたうえで、「我々は必ず勝利しなければならない」と最後の攻撃予定地であるラファでの地上戦を既成事実化した。ネタニヤフ首相はこれに先立ち、米国のジョー・バイデン大統領が、ラファでの作戦が実行される場合は「レッドライン」だと警告したことについても、「我々にもレッドラインがある。ハマスが生き残るようには放置できないということと、(昨年)10月7日のこと(ハマスの侵攻)がふたたび起きてはならないということ」だと正面から反論した。

ホン・ソクチェ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1131907.html韓国語原文入力:2024-03-12 17:22
訳M.S

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