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対北朝鮮タカ派のボルトン元補佐官「トランプ、北朝鮮と無謀な取引する可能性も」

登録:2024-02-01 06:37 修正:2024-02-01 06:50
ジョン・ボルトン元大統領補佐官(国家安全保障担当)//ハンギョレ新聞社

 ドナルド・トランプ大統領時代、国家安全保障担当の大統領補佐官を務めたジョン・ボルトン氏が30日、トランプ前大統領が再度政権を握れば、北朝鮮の核をめぐり「無謀な取引」をする恐れがあると主張した。

 ボルトン氏は2020年に出した回顧録『ジョン・ボルトン回顧録-トランプ大統領との453日』に、今回新たに書いた序文で「『私たちは恋に落ちた』と自慢したトランプが北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)と接触を再開した時の幸福感を想像してみてほしい」と記した。ボルトン氏はトランプ前大統領が金委員長にあまりにも多くを譲歩しようとしたとし、「2回目の任期初期に再びそうする恐れがある」と予想した。また、「北朝鮮の核に関する無謀な取引は、日本と韓国をさらに疎外させ、中国の影響力を増大させるだろう」と主張した。

 ボルトン氏はまた、北朝鮮とロシアの軍事協力の強化もトランプ前大統領と金委員長の再接近を止めることはできないと主張した。ボルトン氏は「ロシアにウクライナ戦争で使う弾薬など武器を供与することをはじめ、中ロの間の軸で北朝鮮の役割が増大するからといって、トランプが金正恩と再会することを防ぐことはできないだろう」と述べた。

 トランプ前大統領の2人目の国家安保補佐官に任命されたボルトン氏は、1年6カ月余りで解任された後、トランプ前大統領を「不適格者」と呼ぶなど、激しく非難してきた。新たな著書の序文でも、「ほとんど自分の利益だけを考える」トランプ前大統領は大統領職に「ふさわしくない」と主張。ボルトン氏は、トランプ前大統領が政権を握れば、米国が北大西洋条約機構(NATO)から脱退する恐れがあり、ウクライナ戦争はロシアに有利になると述べた。また台湾をはじめとする中国周辺の諸国は「本当の危機に直面するだろう」とし、「トランプの復帰を誰がさらに喜ぶべきかをめぐり、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と中国の習近平国家主席が激しい競争を繰り広げるだろう」と語った。

 「北朝鮮崩壊論者」として、朝米首脳会談がトランプ前大統領のショーに過ぎなかったと主張するボルトン氏は、2019年のハノイ首脳会談が「ノーディール」に終わるのに重要な役割を果たした人物とされる。ボルトン氏は回顧録で、自分が北朝鮮との合意案草案を拒否することを勧め、トランプ前大統領には会談場を飛び出してくる状況について助言したこともあったと明らかにした。

 インターネットメディアの「ポリティコ」は先月、トランプ前大統領は再度政権に就けば、北朝鮮の核凍結の見返りとして制裁の緩和を考慮する方針だと報じた。これについて、北朝鮮の核保有を容認する意図があるのではという分析が示された。だが、トランプ前大統領は民主党がまき散らした「偽情報」だと反論。トランプ前大統領は共和党の大統領選予備選挙運動の過程で、「金正恩は私のことが好きだ」とし、ジョー・バイデン政権時代とは異なり、自分の任期の間は北朝鮮が挑発行為をしなかったと主張してきた。

ワシントン/イ・ボニョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/1126648.html韓国語原文入力:2024-01-31 18:59
訳H.J

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