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内乱犯に対する赦免を禁止せよ【投稿】

登録:2026-01-24 08:59 修正:2026-01-24 14:05
イ・ジンスン|聖公会大学兼任教授
尹錫悦前大統領が14日未明、ソウル瑞草洞のソウル中央地裁417号法廷で行われた内乱容疑事件の結審公判で、自らに対する特検の死刑求刑後、最終陳述を終え、弁護団と談笑している=ソウル中央地裁提供//ハンギョレ新聞社

 政治には永遠の同志も永遠の敵も存在しないという言葉がある。死なれたら生きていけないほど仲が良く、こまごまと面倒を見てやりつつ兄よ弟よと呼び合っていたかと思ったら、「殺したくて生きていられないほど」不倶戴天(ふぐたいてん)の敵へと急変するということが普通に起きる。尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領が検事時代から「目に入れても痛くない後輩」だと言って寵愛していたハン・ドンフン(前「国民の力」代表)は、尹錫悦政権の皇太子と呼ばれるほど勢いがあったが、キム・ゴンヒのブランドバッグ事件後に仲違いし、ついには「銃で撃ち殺したい」敵同士となった。

 尹錫悦がハン・ドンフン前代表をサプライズ起用したように、ハン前代表は補欠選挙で当選したばかりのチャン・ドンヒョクを党の事務総長にサプライズ起用した。小躍りしてハン前代表の生涯の同志を自任していた「親ハン系1号」議員のチャン・ドンヒョクは、弾劾局面で乗り換えて「ユン・アゲイン」の先鋒となり、場外の極右勢力を基盤として党代表に成り上がった。深夜のクーデターのように繰り広げられた野党「国民の力」の中央倫理委員会によるハン・ドンフン除名は、最高委員会の採決保留でひとまず小休止しているかたちだが、チャン・ドンヒョク代表とハン・ドンフン前代表の正面衝突で生じた党の内紛は、簡単には収まりそうにない。

 さらに皮肉なのは、このさなかにチャン・ドンヒョク代表と野党「改革新党」のイ・ジュンソク代表が13日に公式に会合を持ち、反李在明(イ・ジェミョン)連帯で手を握ったことだ。イ・ジュンソク代表が2022年に国民の力の党代表職を追われた時も、今回のように同党の中央倫理委員会が未明に彼に対する懲戒(党員権の6カ月停止)を決めた。当時、尹錫悦大統領がクォン・ソンドン党代表職務代行に「内部で銃を撃っていた党代表が変わったから(党が)変わった」というメッセージを送ったということも、よく知られたエピソードだ。こうして親尹系に追われたイ・ジュンソクは、「ユン・アゲイン」で党の主導権を握ったチャン・ドンヒョクと明るく微笑みながら握手した。政界では同志が敵になり、敵が同志になる。

 だからだろうか。尹錫悦は死刑を求刑された結審公判でも、笑みを浮かべて余裕しゃくしゃくだった。今月13日、特検は尹錫悦に死刑を、キム・ヨンヒョン前国防長官に無期懲役を求刑した。ソウル中央地裁417号刑事大法廷、30年前に内乱罪で全斗煥(チョン・ドゥファン)が死刑、盧泰愚(ノ・テウ)が無期懲役を求刑された、まさにその場所だった。ちょうど30年の間を置いて同じ空間、同じ罪名、同じ求刑、そして同じ図々しさが、歴史の呪いのように再現されている。控訴審で全斗煥は無期懲役、ノ・テウは懲役17年を言い渡されて刑が確定したが、彼らの実際の収監期間はそれぞれ2年あまりに過ぎない。1997年12月に大統領特赦で釈放されたからだ。赦免されて釈放された全斗煥は、死ぬまでの間に光州(クァンジュ)市民に一言の謝罪もせず、回顧録で虐殺の証言者を「破廉恥なうそつき」と中傷した。ゴルフとパーティーで健在ぶりを誇示し、956億ウォンの追徴金を未納のまま90歳で自然死した。尹錫悦一味も、適当に数年耐えれていれば赦免されて出られるだろうと計算しているのだろう。

 しかし、30年前の全斗煥裁判と今回の公判の違いに、彼らはまだ気づいていないようだ。12・12クーデターと5・18光州虐殺で権力を簒奪(さんだつ)した全斗煥、盧泰愚が内乱罪で法廷に立つまでには15年以上かかったが、尹錫悦の12・3戒厳令が覆されるまでには6時間、内乱罪で逮捕されるまでには43日しかかかっていない。市民はすぐさま国会に駆けつけ、軍人と警察官の多くは内乱と虐殺の共犯者になることを拒否した。30年間で国民も変わり、民主主義の水準も変化したにもかかわらず、国家元首の傲慢と貪欲だけはそのままだったわけだ。

 だが、まだ尹錫悦には当てにしているものがある。30年前と変わらない大統領特別赦免の機会。30年前にそうだったように、内乱犯にもいわゆる「国民統合の観点から」政治的赦免が行われるだろうという期待。その可能性を徹底して封鎖することが、歴史の不幸が繰り返されないようにする錠前となるだろう。全斗煥の赦免のようなことはもう二度とないということを、誰もが学習しなければならない。

 内乱犯に対する大統領特別赦免を制限する赦免法改正案が、すでに国会に20件以上提出されている。内乱と外患の罪を犯した者に対しては大統領による赦免、減刑、復権を全面禁止するとする案から、国会の同意を得なければならないとする案、さらには大統領による特別赦免全般に対して赦免審査委員会の審議機能を強化して、大統領の挙手機械役に過ぎなかったそれを実質的なブレーキにしようという案も出ている。赦免法は、内乱犯に対する最終審が確定する前に改正しなければならない。政治には妥協があり得るが、憲政秩序を守り、国民の命と安全を保障することには妥協も許しもありえない。死刑を求刑されても笑っている内乱犯を、いつまで見てばかりいるのか。

//ハンギョレ新聞社

イ・ジンスン|聖公会大学兼任教授 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1240810.html韓国語原文入力:2026-01-21 05:00
訳D.K

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