「風の孫」イ・ジョンフが米プロ野球メジャーリーグ(MLB)のサンフランシスコ・ジャイアンツと契約してから、「風の息子」イ・ジョンボム前LGツインズコーチも米国で名前が知られるようになった。韓国プロ野球(KBO)のレジェンドが、今や息子のおかげでメジャーリーグの注目を浴びている。
MLBは15日(現地時間)、イ・ジョンフとイ・ジョンボム前コーチが野球韓国代表チームでプレーしていた頃の写真をX(旧ツイッター)に掲載し、「KBOリーグ初の親子最優秀選手(MVP)デュオは素敵なニックネームを持っている」と紹介した。写真には、MLB公式サイト「MLBドットコム」のサラ・ラングス記者がソーシャルメディアに投稿した「イ・ジョンフのニックネームは『風の孫』だ。KBOのレジェンドである父親イ・ジョンボムのニックネームが『風の息子』だったからだ」という書き込みが添えられている。
サンフランシスコ・ジャイアンツは同日、「サンフランシスコ・ジャイアンツへようこそ」という見出しと共に、ジャイアンツのユニホームを着たイ・ジョンフの合成写真を掲載し、イ・ジョンフの入団を公式発表した。
イ・ジョンフの契約期間は6年で、契約総額は1億1300万ドル。2027シーズン後、オプトアウト(球団と選手合意による契約破棄)条項も含まれた。
イ・ジョンフのジャイアンツへの移籍が確定すると、米現地メディアは親子2人の関係に注目した。MLBドットコムは同日、2人を「2世選手のイ・ジョンフは父親の後を継いで野球スターの道を歩んでいる」とし、「彼は『風の息子』として知られる韓国の伝説的な遊撃手、イ・ジョンボムの息子だ。イ・ジョンフには父親へのオマージュとして『風の孫』というニックネームがある」と紹介した。
2人のニックネームは、今年3月に開かれた2023年世界野球クラシック(WBC)で、韓国とオーストラリアの第1ラウンド(グループリーグ)B組第1戦を控え、米国で知られた。当時、MLBドットコムはイ・ジョンフが「風の孫」と呼ばれる背景を伝え、「イ・ジョンフは2006WBCに出場したイ・ジョンボムの息子」だとし、「2人はWBCに出場する唯一の親子デュオ」だと紹介した。
サンフランシスコ・ジャイアンツがイ・ジョンフの入団を公式発表してから、イ・ジョンボム前コーチの過去の発言も再び注目を集めている。
イ前コーチは2019年1月、「文化放送(MBC」)のトーク番組「ラジオスター」に出演し、イ・ジョンフのメジャーリーグ進出の可能性について、「私は絶対行かせないと思う」と懐疑的な反応を示した。イ前コーチは、「何が何でも(メジャーに)行くよりは、まず(ここで)ガキ大将にでもなれと、息子に言った」とし、「挑戦するのは良い。だが、現実的にみて、私の判断では、ジョンフは日本に行かせた方がいいと思う」と語った。
その後、イ・ジョンフは2021年12月、JTBCのバライエティ番組「知ってるお兄さん」に父親と共に出演し、当時を振り返った。イ・ジョンフは2年前のイ前コーチの発言について、「他の番組で父が決まったかのように(メジャーリーグに行かせないと言って)腹が立った。選手の人生を、父が、私の夢が大きくなっているのにその芽を摘んでしまったのだ。私の限界を決めておいた人のように、しかも父が」と語った。
一方、イ・ジョンフは2022年KBOリーグ最優秀選手に選ばれ、1994年に最優秀選手に選ばれたイ・ジョンボム前コーチと「KBOリーグ初の親子最優秀選手」になった。イ・ジョンフがサンフランシスコ・ジャイアンツに公式入団したことで、2人には「韓国野球初の親子海外リーグ進出」という修飾語が付くようになった。イ前コーチは日本プロ野球に進出し、中日ドラゴンズ(1998~2001年)でプレーした。