10日、東京ドームには4万人以上の観衆が集まった。ほとんどが「侍ジャパン」を応援するために集まったファンだった。イニングが重なるにつれ、東京ドーム内の日本ファンの歓声はますます高まった。
前日(9日)のオーストラリア戦で敗北を喫した韓国代表チームは萎縮していった。ヤン・ウィジの本塁打による先制点でしばし高揚した気分もすっかり沈んだ。代表チームは投手陣の乱調の中、再び日本に敗れた。4-13、完敗だった。2019WBSCプレミア12スーパーラウンドで敗北して以来、日本戦は4連敗。2009WBCの1次ラウンドで2-14の7回コールド負けを喫して以来、最大点差の敗北でもある。
この日の敗北で韓国は事実上、2次ラウンド進出が厳しくなった。チェコ(12日)、中国(13日)戦をいずれも勝ち、オーストラリアがチェコ、中国にいずれも負ければわずかな希望が生まれるが、可能性は極めて低い。
序盤のムードは良かった。左腕先発のキム・グァンヒョンが2イニングを1安打5三振無失点で日本の打線を抑えた。2008北京五輪の「日本キラー」の威容を見せつけるようだった。
打線もふんばった。オーストラリア戦でベースから足を離しタッチアウトになったカン・ベクホが、日本の先発のダルビッシュ有を相手に左中間へ2塁打を放った。その後、前日3ランを放ったヤン・ウィジが再び本塁打を打った。2-0。ツーアウト後、キム・ハソンが相手のミスに乗じて2塁に出塁、イ・ジョンフのタイムリーヒットで代表チームは3-0でリードした。代表チームのベンチにも希望が芽生えた。
しかし喜びもつかの間、1、2回で全力を尽くして投げたキム・グァンヒョンが3回で急激に崩れた。連続四球で迎えたノーアウト1・2塁の危機で、ラーズ・ヌートバーにタイムリーヒットを許した。続くノーアウト1・3塁では近藤健介に2塁打を打たれた。イ・ガンチョル監督はウォン・テインをマウンドに送ったが、大谷翔平を敬遠で送り出した後、ワンアウト満塁で吉田正尚に2打点をあげるセンター前ヒットを許した。3-4。韓国ベンチのムードは急速に冷え込んだ。必ず勝たねばならない試合で逆転され、気分はさらに重くなった。
日本は5回裏、近藤のソロ本塁打と、大谷の左翼線への2塁打に続いて1死3塁で外野への犠牲フライを許し、6-3まで差が開いた。韓国は6回表、パク・ゴヌの右越えソロ本塁打で1点追加したが、6回裏に再び5点を奪われ、追撃の意志が一気に折れた。
投手陣のコンディション調節の失敗が決定的な敗因だった。キム・グァンヒョンからパク・セウンまで、この日韓国投手らは長短13安打、8四球、1死球を許した。韓国投手陣はオーストラリア戦で8点、日本戦で13点と、2試合で21点失点となった。リーグ最高投手のアン・ウジンが過去の校内暴力問題で代表チームに抜擢されなかったとはいえ、韓国野球の投手陣の現実を如実に示したといえる。