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自国民が死んでも「それが人生」…イスラエル、ガザ難民キャンプを無差別爆撃

登録:2023-12-05 06:26 修正:2023-12-05 07:46
イスラエル軍が3日(現地時間)、パレスチナのガザ地区南部地域で軍事作戦を展開するため、照明弾を打ち上げている/UPI・聯合ニュース

 パレスチナの武装勢力ハマスと戦争を繰り広げているイスラエル軍(IDF)がガザ地区南部地域への地上軍の投入を拡大したことで、民間人の被害が増えている。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は軍の誤認射撃で自国民が死亡した事件と関連し、「それが人生」と発言し、激しい非難を浴びている。

 「アルジャジーラ」は3日(現地時間)、「イスラエル軍がガザ地区で2番目に大きい都市のハンユニスと周辺地域に退避を通告したうえで、空爆を浴びせ、過去24時間だけでパレスチナ住民数百人が死亡した」とし、「最初の戦闘休止が終了し、イスラエルの爆撃が再開されて以来、700人以上のパレスチナ人が死亡した」と報じた。

 イスラエル軍がガザ地区南部地域を集中攻撃し、南部最大都市ハンユニスなどで激しい爆撃が行われている。イスラエル政府のイーロン・レビ報道官は同日、軍がこの2日間だけで、ハンユニス一帯に大規模な空爆とともに400カ所以上の目標物を攻撃したと明らかにした。これにより、国連難民キャンプのあるデイルアルバラ地域だけで31人の死者が発生し、近くのアルアクサ殉教者病院に移送された。国連児童基金(ユニセフ)のジェームズ・エルダーグ広報官は「どこに行っても深刻なやけどと破片による傷、頭を怪我したり骨折した子どもたちがいる」とし、「数時間後には死ぬかもしれない子どもたちを抱いて母親たちが泣き叫ぶなど、今ここは『死の地帯』と化している」と憤りをあらわにしたと同放送は報じた。

 イスラエル軍が主力部隊をガザ地区南部に移動させた後、廃墟と化した北部地域では、住民たちが建物の残骸などに下敷きにされた人々を救助している。同放送は「ガザ地区北部のジャバリヤ難民キャンプとガザ市などでは、救助隊が装備もほとんどない状態で建物の残骸を掘り起こし、生存者と遺体を探すために走り回っている」と報道した。ガザ地区の保健省は10月7日のイスラエルとハマスの戦争勃発以来、ガザ地区の死者が1万5千人以上にのぼり、負傷者も4万人を超えたと発表した。

 悲劇はガザ地区だけにとどまらない。同日、パレスチナのもう一つの自治地域であるヨルダン川西岸地区では、イスラエル人入植者とパレスチナ人住民が衝突し、パレスチナ人1人が死亡した。出動したイスラエル軍人による銃撃で、パレスチナ住民が死亡したという。イスラエル人権団体「イエシュ・ディーン(Yesh Din)」は英紙「ガーディアン」に「今回の事件以前に少なくとも9人のパレスチナ人が似たような状況で死亡した」とし、「戦争開始後、パレスチナ共同体93カ所でイスラエル人入植者による暴力事件が少なくとも225件発生した」と明らかにした。

 イスラエル軍が誤射で自国民を死亡させた事件の余波も続いている。先月30日、エルサレムのあるバス停でイスラエル人のユバール・キャッスルマンさんがイスラエル軍の誤射で死亡した。当時、キャッスルマンさんはハマスの武装隊員が銃を乱射する事件が起きると、自分の拳銃で抵抗していた。この日イスラエル人4人が死亡したが、キャッスルマンさんを除く残りの3人はハマス隊員の銃撃で死亡した。

 しかし、ネタニヤフ首相がキャッスルマンさんについて「時には(戦争の)代償を払うことだってある。それが人生」だと発言したという事実が知らされ、激しい批判が巻き起こっている。戦時内閣の閣僚ベニー・ガンツ氏はソーシャルメディアX(旧ツイッター)に、キャッスルマンさんがハマスと対抗した点を強調し、「彼は英雄だ。今回の事件は『それが人生』ではなく、未来の命を救うべき教訓を学ばなければならない『警告のシグナル』である」と批判した。イスラエル野党の国家統合党はキャッスルマンさん死亡事件と関連し、政府に包括的な調査を要求する方針だ。

ホン・ソクチェ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1118982.html韓国語原文入力:2023-12-04 16:07
訳H.J

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