イスラエルとハマスの7日間の戦闘中止と人質交渉の合意が、さらに延長されることなく、終了した。イスラエルはガザ地区住民の多数が避難している南部まで攻撃しており、民間人の犠牲はさらに多くなるものとみられる。
イスラエル国防軍(IDF)は1日午前7時(現地時間、韓国時間午後2時)、声明を発表し、「ハマスが戦闘休止(の合意)に違反した。さらにイスラエル領土に向けて砲撃を行った」とし、「ガザ地区でハマスを対象に戦闘を再開した」と明らかにした。これに先立ち、イスラエル軍は戦闘休止満了時刻を約1時間後に控え、ガザ地区からイスラエル南部都市にロケットが発射されたと明らかにした。イスラエル軍は防空システムを利用して直ちにロケットを迎撃し、死傷者は発生しなかったと付け加えた。
現地メディアの「タイムズ・オブ・イスラエル」は「ハマスが一週間比較的平穏だった状態を破り、この日交戦闘休止満了時刻までさらなる人質名簿もイスラエルに提供しなかった」と説明した。ハマスはこれについて論評を発表していない。
この日のイスラエル軍の戦闘再開宣言で、先月24日から7日間続いた臨時停戦は事実上終わったものとみられる。CNNは「イスラエルとハマス間の戦闘休止はこの日に満了したものとみられ、人質解放をめぐる交渉をさらに延長する兆しも見えない」と報じた。
満了時刻の2時間前までは、臨時停戦の延長を予想する報道もあった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルはエジプト官僚の話として、イスラエルとハマスの臨時停戦が1日延長されたと報じた。ところが、交渉の当事者である米国・イスラエル・カタール・エジプト政府の公式発表が出ていない状態で、イスラエル軍の戦闘再開声明が発表された。
イスラエルの極右政治家たちはこれまで、ハマスとの戦闘休止期間を延長せず、戦闘を再開すべきだと主張してきた。イタマール・ベングビール国家安全保障相は30日、所属政党「ユダヤの力」が発表した声明で、「ハマスは一方の手では停戦に署名し、他方の手ではテロリストを送り付け、エルサレムのユダヤ人を殺害している」と述べた。これに先立ち、この日午前7時50分頃、エルサレムのあるバス停で、2人の武装隊員がイスラエル市民を銃撃し、少なくとも3人が死亡、8人が負傷した。これをハマスの仕業と見て、直ちに反撃すべきだと主張したのだ。
ベングビール国家安全保障相は、ハマスとの交渉が進められた先月22日から戦闘休止に反対しており、28日にはイスラエル軍が戦闘を再開しなければネタニヤフ首相との連立を解消すると宣言した。ネタニヤフ内閣のもう一人の極右政治家ベザレル・スモトリッチ財務相も「ハマスのエルサレム攻撃はイスラエルがすべての戦線で戦争中であることを示した」とし、「完全な勝利を収めるまで(戦闘を)休んではならない」と述べた。