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イスラエル、今度はカザ南部への攻撃を予告…170万人の難民はどこへ

登録:2023-11-30 06:40 修正:2023-11-30 07:02
ガザ北部攻撃の際、住民に南部への退避を勧告 
一時休戦後、南部最大の都市ハンユニスへの攻撃の意向示す
26日、エジプトとパレスチナのガザ地区を結ぶラファ国境検問所の近くで、人道支援物資を輸送するための車が長蛇の列をなしている/ロイター・聯合ニュース

 イスラエルとパレスチナの武装勢力ハマスの「不安な停戦」が続く中、イスラエル国防軍(IDF)が戦闘休止期間が終わり次第、ガザ地区の「南伐」のための地上戦を始めるという意思を重ねて示している。ガザ地区の住民たちは、イスラエル軍が南部のマワシへの退避を催促する中、緊迫した状況に追い込まれている。

 イスラエル軍は28日、ソーシャルメディアのX(旧ツイッター)で、「ガザ地区北部の2カ所、イスラエル部隊隣接地域の3カ所で爆発物が爆発した。(双方が合意した)戦闘休止の枠組みを(ハマスが)違反した」と主張した。戦闘休止期間が計6日に延長された中で、一触即発の状況が続いている。

 イスラエル軍は予定された戦闘休止時間が終われば、直ちにガザ地区南部に向かって再び大規模な地上軍を投入する計画だ。イスラエル軍は実際、戦闘休止期間中にガザ地区を南北に結ぶ主要幹線道路のサラディン(サラフッディーン)道路と接する東西方向の大規模な軍事道路を完成させたものとみられる。読売新聞は28日、ガザ地区を撮影した衛星写真を分析し、「ガザ北部に東西を横断する長さ約8キロメートル、幅20~30メートルの道路を新たに整備した可能性が高いことが明らかになった。戦車の走行や物資輸送用とみられ戦車の走行や物資輸送用とみられる」とし、「イスラエルが新たな道路を基軸として南部にも進軍する可能性が高い」と分析した。前日、ヨアブ・ガラント国防相も「(戦闘休止の期限まで)数日しか残っていない。我々は戦闘に復帰する」と強調した。

 イスラエル軍は当初、北部にあるガザ市をハマスの最大拠点とみて、住民を南部に強制退避させ、すでに170万人余りの難民が発生した。イスラエル軍が東西を横断する道路を整備し、難民たちが北部に戻る道を遮断した中で、南部最大の都市ハンユニスをハマスのもう一つの拠点とみなし、攻撃を予告している。

 イスラエル軍はそれに先立ち、住民に南部海岸沿いの小さな町マワシへの退避を促すビラを散布した。マワシは最大幅2.5キロメートル、長さ4キロメートルで、ソウル汝矣島(ヨイド、約3平方キロメートル)の約3倍余りの地域だ。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のジュリエット・トゥマ報道官は、「マワシは砂丘とヤシの木しかないところだ」と指摘した。病院など必須施設が整っていないところに100万人以上の難民を追い込もうとしているわけだ。

 結局、ガザ地区が冬に入った中でイスラエル軍の攻撃が南部に拡大すれば、住民たちは極限の人道危機に追い込まれることになる。BBCは「冬雨が降ったガザ地区にすでに洪水などで住民の苦痛が深まっている」と報じた。イスラエル軍は「(マワシで)適切な条件が提供される」と言うが、難民キャンプなど人道施設を備えるのは国連など国際団体の役割だという立場を貫いている。

ホン・ソクチェ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1118397.html韓国語原文入力: 2023-11-300 2:42
訳H.J

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