本文に移動

「プーチンは注目せよ」…NATO、史上最大の空中防衛演習へ

登録:2023-06-09 06:23 修正:2023-06-09 08:01
スウェーデンや日本も参加
米国のエイミー・ガットマン駐ドイツ大使(左)とマイケル・ロウ米空軍防衛軍中将が7日(現地時間)、ドイツのベルリンで記者会見を行っている/AP・聯合ニュース

 北大西洋条約機構(NATO)の史上最大規模の空中防衛演習が、12日からドイツ主導で開かれる。

ドイツ連邦空軍のインゴ・ゲルハルツ参謀総長は7日(現地時間)、ドイツのベルリンで開かれた記者会見で、「エアディフェンダー23」と名付けられた演習が12日から23日まで行われるとし、「NATOの防衛能力を印象的に示すだろう」と述べた。

 25カ国が兵力1万人と戦闘機250機を派遣し、NATOに対する仮想の攻撃に対応する演習を行う。米国が空軍の防衛兵2千人と戦闘機など約100機の航空機を派遣するほか、ドイツも連邦軍の航空機70機を演習に参加させる予定だ。NATO加盟国ではないが、加盟を申請したスウェーデン、そしてNATOとの連携を強化する日本も今回の演習に加わる。

 今回の演習を指揮するゲルハルツ参謀総長は「NATOの領土が我々の『レッドライン』であり、この領土ではたとえ1センチであっても隅々まで防御する準備ができていることを示す」とし、「しかし(ロシア域外領土である)カリーニングラードに向けた飛行などは実施しない。この演習は防衛を目的としている」と述べた。カリーニングラードはロシア本土と離れたポーランドとリトアニアの間にある。

 NATOの今回の空中演習がロシアを意識したものであることは明らかだ。同演習は2014年にロシアがクリミア半島を強制合併してから4年後の2018年、ドイツの提案で計画された。昨年2月末、ロシアがウクライナを全面侵攻してから、NATOは加盟国の領土に対する攻撃の可能性に本格的に備えなければならなくなった。

 今回の演習は、バルト海沿岸のドイツ・ロストック港に仮想の東部連合軍が特攻隊とともにサボタージュ(破壊工作)攻撃を加えた状況を想定している。これに対しNATOが「(加盟国の)一又は二以上の締約国に対する武力攻撃を全締約国に対する攻撃とみなす」というNATO憲章第5条に基づき、敵を撃退する演習と共に、巡航ミサイル、ドローン(無人機)攻撃に対応しながら空港、港を守る演習を行う。演習の大半は北海とバルト海の上空で実施される。

 米国のエイミー・ガットマン駐ドイツ大使は同日の記者会見で、「今回の演習はNATO連合軍の俊敏性と迅速性を疑う余地なく示すものになるだろう」とし、この演習が事実上ロシアの潜在的脅威に備えたものであることを隠さなかった。ガットマン大使は「世界の指導者なら誰もが同盟の力という側面で今回の演習が何を示しているかに注目せざるを得ないだろう」とし、「そのなかにはロシアのウラジーミル・プーチン大統領も含まれる」と述べた。

 マイケル・ロウ米空軍中将は、今回の演習が「NATO内部だけでなくNATO外部にある我々の他の同盟、パートナーとの協力に関するもの」だと説明した。

ベルリン/ノ・ジウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1095138.html韓国語原文入力:2023-06-08 20:23
訳H.J

関連記事