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プーチン大統領「ベラルーシに戦術核配備決定」…西側のウクライナ支援に警告

登録:2023-03-27 04:11 修正:2023-03-27 08:47
ロシアのプーチン大統領が25日(現地時間)、ロシア大統領府で交通相と会議を行っている=モスクワ/TASS・聯合ニュース

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は25日(現地時間)、ベラルーシに戦術核兵器を前進配備する計画であることを明らかにした。西欧諸国がロシアと戦争中のウクライナに軍事支援を強化していることに対する「対応」と解釈される。

 プーチン大統領は25日夜、ロシア国営テレビとのインタビューでこのような計画を明らかにした。AP通信などの主要外国メディアが伝えた。プーチン大統領はベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領の要請でこのような決定を下したとし、「米国は長きにわたり、北大西洋条約機構(NATO)の欧州の加盟国の領土に戦術核兵器を配備してきた。ロシアもベラルーシと同じ合意に達した」と述べた。続いて「今回の措置は国際的な核拡散条約(NPT、核兵器不拡散条約)に違反するものではない」と付け加えた。

 米国がNATOに属するドイツ、ベルギー、オランダ、イタリア、トルコの5カ国に配備している核兵器に対する統制権を持つように(NATO式の核共有)、ロシアもベラルーシに配備した核兵器を統制する予定であるため、NPT違反ではないという意味だと解釈される。ベラルーシはラトビア、リトアニア、ポーランドの3つのNATO加盟国と国境を接している。

 ベラルーシに前進配備される戦術核兵器は、すでに同地域に配備することを発表している短距離弾道ミサイル「イスカンデル」(一般の弾道ミサイルとは異なり異常軌道を描くため、迎撃は容易ではない)やベラルーシの空軍機に装着されるものとみられる。プーチン大統領は「ロシアはすでに昨年、ベラルーシの軍用機を現代化しているため、この種の核弾頭を搭載できるようになっている」と述べた。また、ベラルーシに配備される核兵器の貯蔵施設は「7月1日までに建設される」と述べた。

 プーチン大統領は今回の決定について、「ウクライナに劣化ウラン弾を提供するという英国の国防副長官の声明がきっかけ」になったと主張した。英国国防省は20日に議会に提出した答弁書で、ウクライナに送る戦車「チャレンジャー2」の砲弾の一部が劣化ウラン弾であることを公開している。プーチン大統領は翌日、直ちに「相応の対応をする」と警告している。劣化ウラン弾は核兵器製造や原発燃料の生産過程で出た劣化ウランを使った砲弾で、一般の砲弾より貫通力が強い。

 ロシアは昨年2月24日、ウクライナに全面侵攻し、「兄弟国」であるベラルーシから出撃したロシア軍がウクライナ北部に位置する首都キーウを直接攻撃している。来月3日からロシアはベラルーシと合同演習を開始する。ベラルーシはウクライナ戦争が始まった直後の昨年2月末の改憲で「領土を非核化し中立国家化を目指す」(18条)という条項を削除している。その後は、ロシアが近く核兵器をベラルーシに前進配備するだろうという懸念が持たれ続けてきた。

ベルリン/ノ・ジウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1085136.html韓国語原文入力:2023-03-26 05:07
訳D.K

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