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独カッセル大学、「平和の少女像」撤去…日本政府は執拗だった

登録:2023-03-13 06:01 修正:2023-03-13 06:27
日本の首相、外交官、極右勢力まで 
「第3国の少女像」揺さぶりに乗り出す 
歴史問題で「白旗」揚げた尹政権、積極的な対応は難しい見込み
9日(現地時間)、ドイツのカッセル大学が大学内に設置された平和の少女像を急遽撤去した後、在ドイツ市民社会団体「コリア協議会」が掲載した請願文= 請願ウェブサイトよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 ドイツ中部のヘッセン州にあるカッセル大学が9日、総学生会主導で大学に設置された平和の少女像を急遽撤去したことを受け、現地の韓国人団体が「原状復旧」を要求するなど、強く対応する方針を示した。6日に韓国政府が敏感な韓日間の「歴史懸案」である強制動員賠償判決について一方的な譲歩案を発表するなどの態度を示したことを機に、撤去を求める日本政府から圧力を受けてきた大学側が撤去に踏み切ったものとみられる。

 ドイツ・ベルリンの「コリア協議会」(以下協議会)は11日、2日前に行われた少女像の撤去事件と関連して緊急声明を発表し、「世界女性の日(8日)の翌日未明、あり得ないことが起きた。反ファシズム精神を称えるというカッセル大学総長団が平和の少女像を協議会と総学生会に何の通知もなく撤去した」と糾弾した。彼らはカッセル大学側が「学生議会の民主的な手続きにより議決された少女像の永久存置決定を無視した」として少女像を元の場所に戻すことと、女性への性暴行問題に警鐘を鳴らそうとした学生たちの意志を尊重することを要求した。また、今回の事態の背後にある日本政府には、「第3国にある少女像の撤去を促さず、日本軍『慰安婦』問題の正当な解決に乗り出すこと」を求めた。

 カッセル大学総学生会は9日、公式インスタグラムのアカウントに「早朝、私たちも知らないうちに、平和の少女像が大学から撤去された」と明らかにした。大学当局も同日、公式ウェブサイトに「2022年、カッセル大学総学生会が学生会館前に建てた平和の少女像に対し、大学が期限付きで(設置を)許可したが、すでに数カ月が延長され、期限満了となった」とし、所有者の協議会が少女像を持っていくまで学校が保管する方針を示した。芸術品の永久展示は該当するプロジェクトが教育・学術研究と共に行われ、設置場所もプロジェクトと内容的に関連性がある場合に限るというのが大学側の主張だ。

 カッセル大学の少女像は昨年7月、同大学総学生会の主導でドイツの大学の中では初めてキャンパス内に設置された。学生会は「カッセル・ドクメンタ」という国際現代美術祭に合わせて設置を企画し、協議会が少女像の彫刻家であるキム・ウンソン、キム・ソギョン夫妻からの寄贈を受け、カッセル大学総学生会に少女像を永久レンタルした。少女像は大学の公式許可を経て7月8日に建てられた。

 危機に陥った少女像はこれだけではない。ドイツ・ベルリンのミッテ区に2020年9月末に設置された少女像もやはり撤去を求める圧力を受けてきた。同少女像の建立を受け、昨年4月、日本の岸田文雄首相まで乗り出して「設置が続いているのは残念だ」として撤去を要求した。にもかかわらず、少女像が本来の位置を守ることができたのは、現地の女性・人権団体の抵抗と韓国政府の見えない外交的支援があったからだ。

 しかし、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が韓日間の敏感な歴史問題に一方的に白旗を掲げた中、将来を断言できなくなった。日本政府は2015年12月、「慰安婦合意」を通じて、慰安婦問題は「多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題」だとしたうえで、「日本政府は責任を痛感している」と宣言したが、世界各地に建てられた少女像の撤去に奔走している。慰安婦問題を二度と繰り返してはならない普遍的人権問題ではなく、韓日間の歴史戦争の種とみなしているからだ。

 正義記憶連帯は10日、報道資料を出し、これまで行われた日本政府の「圧力」を詳細に説明した。少女像が設置されてから3日後にドイツ・フランクフルトの日本総領事がカッセル大学総長と面会し、「少女像が反日感情を助長し、カッセル地域の平和を危険にさらす恐れがある」と主張し撤去を要請しており、その後も大学の業務に支障をきたすほど訪問を繰り返した。また、大学側は日本の極右勢力からの悪質な手紙とメールにも悩まされてきた。協議会は今回の撤去に抗議し、近いうちにカッセル大学で大規模な糾弾行事に乗り出す計画だ。

ベルリン/ノ・ジウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1083235.html韓国語原文入力:2023-03-13 02:30
訳H.J

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