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「少女像の守り人」になったドイツ青年たち「永久保存して歴史を記憶」

登録:2022-07-11 02:55 修正:2022-07-11 07:58
[ハンギョレS]イシュー 
ドイツのカッセルにも「平和の少女像」 

カッセル大学のキャンパス内に少女像を設置 
ベルリンに続き公共地に2番目 
「誤った歴史に対する抵抗の象徴 
私たちはみな、まだ学ぶべきことが多い」
保護幕を張ったベルリンの平和の少女像。ハ・ジンランさんの作品「ハウス・デア・プレムデ(Haus der Fremde、他郷の家)」に囲まれている/聯合ニュース

 「この少女像は全世界の戦時性犯罪の犠牲者の苦しみを追悼する記憶の空間だ。また、自らの権利のために闘い、このような犯罪が二度と起こらないようにするために人生を捧げてきた生存者たちの特別な勇気を称えている」

 今月8日(現地時間)、ドイツ中部ヘッセン州のカッセル大学のキャンパス内に、このような内容がドイツ語で刻まれた「平和の少女像」(以下「少女像」)が設置された。碑文は「日本の戦時性犯罪は、1991年8月14日に故キム・ハクスンさんが慰安婦被害を初めて証言したことで世に知られるようになった。これは数十年間耐えてきた戦時の女性に対する性暴力の被害者の沈黙を破った事件だった」と証言している。

 カッセルの少女像は、2020年9月のベルリン市ミッテ地域に続き、ドイツの公共の地に設置された2番目の少女像だ。今年1月、カッセル大学総学生会(ASta)から「ベルリン少女像をめぐる問題と困難な状況を、メディアを通じて知った。私たちのキャンパスに少女像を設置し、全世界の人々に伝えたい」というドイツのコリア協議会への設置問い合わせがあり、「平和の少女像」を作ったキム・ウンソン、キム・ソギョン夫妻がこのような意向を伝え聞き、快く少女像を寄贈した。カッセル大学の本部は設置空間の永久使用を許可した。

 キャンパス内への少女像の永久設置を主導したカッセル大学のトビアス・シュノアー総学生会長は7日(現地時間)、本紙の電子メールでのインタビューで「少女像は誤った歴史に対する抵抗の記憶であり象徴」だと説明した。

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キャンパス内の少女像永久設置に込められた意味

-ドイツの大学に根を下ろした少女像をどのような意味を持ったものとして受け止めているか。

「少女像は、第2次世界大戦当時の日本の抑圧にさらされた数十万人の女性だけでなく、現在の欧州でも(人種的な理由で)性暴力に苦しんでいる女性を象徴するものだ。彼女たちは女性であり弱者であるという理由で身体的、精神的に踏みにじられた。少女像はこのような歴史に絶えず抵抗し、記憶しようとする意志を示している。これが、カッセルに少女像が永久に残ることになった理由だ」

-きっかけはどのようなものだったのか。

「昨年、メディア報道によって日本政府がベルリンの少女像を撤去するよう圧力をかけていることを知った。ベルリンの韓人コミュニティと連帯団体の抵抗に深い感銘を受け、これについて歴史を深く学んだ」

-一時的な展示ではなく永久保存なのは。

「永久保存でなければ、加害者が撤去を狙ってくる可能性があると考えた。またカッセルは年間観覧人数が500万人に達する国際的な現代美術の祭典『ドクメンタ』が開催される場所であり、世界的に注目される。ここのように目立つ公共の場所では、加害者がこの像について知らないふりをすることも、撤去を試みることもできないだろう」

-設置過程では困難も多かったのでは。

「最初の心配は持続可能かどうかだった。少女像を通じて強制性売買と国家暴力の問題を継続的に知らしめるとともに、次世代の学生たちに少女像をテーマとした作業を続けてもらう方法を探りたかった。設置費用も問題だった。『平和の少女像』作者夫婦による寄贈とドイツのコリア協議会の助けがなかったら不可能だっただろう」

「平和の少女像」は13、4歳ぐらいに見える幼い顔に短い髪の少女だ。チマチョゴリを着た少女は、しかし靴も履けていない。軍人たちに人生を踏みにじられ、地に根付けない少女の悲しみが、かかとを上げた姿によって形象化されている。しかし、少女の肩には平和の鳥が静かにとまっている。そして彼女の隣の空席には、今回はドイツのカッセル大学の青年たちの連帯の心が腰を下ろしている。

ヘッセン州のカッセル大学のキャンパス内の「平和の少女像」設置予定地。カッセル大学本部は設置空間の永久使用を認めた=ドイツ・コリア協議会提供//ハンギョレ新聞社

-ベルリンやデュッセルドルフなどでは、日本政府の圧力を受けて少女像撤去が試みられたことがある。カッセル大学でも似たようなことがあるのではないかと懸念される。

「カッセルは反ファシストの町だ。すでにネオナチ、陰謀論者に積極的に立ち向かってきた経験がある。私たちは反動的思考に抵抗するように訓練されている。少女像撤去の試みのような行動は、ここでは注目を集められないだろう。また、平和の少女像は重要な歴史的情報であり、芸術作品、学問でもある。ドイツの大学は公的な場所であり、学問の自由が保障されている。いかなる国の大使館や政府、さらにファシストであろうとも、キャンパスから少女像を撤去することはできない。そのようなことをすれば、大学にはさらに多くの少女像ができるだろう。彼らの圧力は全く怖くない」

-ドイツにも加害者としての辛い過去がある。歴史的経験に照らして、日本の植民地支配の清算はどのように進められるべきか。

「ドイツは過去のホロコーストのせいで『記憶文化』が確立されている。しかし、ナチス政権の犠牲者の認定においても大きな差別が存在する。日本の植民地のケースように数十万人の女性が強制売春に動員され、人間としての尊厳が踏みにじられた。しかし、ドイツでも彼女たちに対する研究や追悼はない。植民地主義を自ら克服できる社会はない。(帝国主義犯罪を犯した国々は)みな自らの罪の意識を正しく記憶し、理解し、自覚するという課題と取り組む。自分たちの犯した犯罪を恥じるあまり、歴史的事実を認めない態度は他の植民地主義国も同じだ。植民地主義は構造的に人種差別的な社会不平等システムであるため、自分たちの犯した行為が犯罪だということを理解していないし、理解しようともしない。私たちはこのことを説明し続け、教育し続けようと思っている。私たちはみな、まだ学ぶべきことが多い」

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平和の少女像の役割

 最近、ドイツでは「母親部隊」のチュ・オクスン代表ら、韓国内の極右保守団体がベルリンのミッテ区で「平和の少女像」撤去を要求するデモを行っている。これに対抗して今月5日には、韓国の正義記憶連帯とドイツのコリア協議会が国内外の3万1317人の市民(559団体)の「平和の少女像存置支持署名」を集め、ミッテ区役所に提出している。

 シュノアー会長は「保守団体がベルリンの少女像と同じように撤去圧力を加えるだろうという懸念もよく分かっている。しかし、カッセルの少女像は大学という空間の内部に設置されているうえ、数百人にのぼる学生たちが日常的に使う空間なので、そのような『妨害作業』をするのは難しいだろう」と説明した。

-その後の少女像に関する活動にはどのようなものあるか。

「少女像除幕式(8日)の翌日の9日に、学術プログラムで『これが犯罪だという社会的合意はない』(戦時性暴力分野の学者レギーナ・ミュールホイザーさんによる)などのテーマ発表が準備された。来学期からは性暴力被害者(特に戦争中の)問題についての教育と訓練プログラムも準備する予定だ。『平和の少女像』は、今後のこのような活動の中心において役割を果たしていくだろう」

ベルリン/ナム・ウンジュ通信員、ホン・ソクチェ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1050291.html韓国語原文入力:2022-07-09 11:50
訳D.K

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