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英国「エコノミスト」は昨年5月、少子化の原因として教育費問題を指摘した。東アジアでは親が子どもの高い教育費を支払うために生活費を削るのが一般的なため、子どもを産むのをためらっているというのだ。英国の独立研究者ルーシー・クレハン氏はエコノミストに対し「中国、シンガポール、韓国などでは、子どもたちは小学校時代から試験のために私教育(塾や習い事)を受けており、親は子どもに私教育を受けさせなければならないという圧力が加わっている」として「これは家族の生計を脅かす」と語った。
同じアジアでも、儒教文化圏でない国々は少子化から相対的に自由だ。カトリックの国であるフィリピンの出生率は2.75人、仏教国のベトナムは1.94人だ。イスラムの国であるマレーシア(1.80人)、インドネシア(2.18人)なども似たような水準だ。ヒンドゥー文化圏である南アジアのインド(2.03人)、イスラムの国であるパキスタン(3.47人)、中央アジアのカザフスタン(3.08人)、ウズベキスタン(2.86人)なども2~3人台にのぼる。大陸別に見ると北アメリカ(1.64人)とラテンアメリカ(1.86人)も状況は比較的良好で、開発途上国であるアフリカのサハラ以南の地域(4.6人)と北アフリカ・西アジア(2.8人)は世界平均値より高い。西アジアはイラン(1.69人)、イラク(3.5人)、サウジアラビア(2.43人)など、世界平均の前後にあり、厚い青年層を保有している。
先に経験した欧州では
欧州も1990年代から、出生率の低下に立ち向かうために様々な努力を傾けてきた。「ル・モンド」は先月21日の特集記事「出生率:なぜフランスは欧州のモデルとなったのか」で、少子化の危機に見舞われたフランス(合計特殊出生率1.79人)がいつしか欧州の出生率のチャンピオンになったと伝えた。この報道によれば、フランスは国内総生産(GDP)の約4%に達する莫大な予算を家族および育児政策に割き、育児休職や家族手当てなどの制度の導入、早期保育システムなどの完備に使った。また、多様な家族形態を認める社会的合意を形成した。フランスは1999年にマイノリティー保護と出生率向上の方策として市民契約制度「パックス(PACs)」を制定しているため、婚姻以外で子どもを産むことができる。同紙はさらに、出産率の比較的高い欧州諸国は概して仕事と家庭の両立が比較的容易な国だったと指摘した。
しかし、このような努力にもかかわらず、一度落ちた出生率を完全に回復することはできていない。「ニューヨーク・タイムズ」は9日、フランス・ドイツ・スウェーデン・デンマークなどを例にあげ、彼らの強力な政府支援策は出生率の低下を抑制したものの、完全な回復には至っていないと伝えた。また、少子化現象を見つめる視点そのものを変えるべきだとする指摘もある。国連経済社会局人口部のジョン・ウィルマス部長は同紙に「出生率の低下と人口減少に対する暗うつな評価は誇張される傾向がある」とし「日本は数十年にわたって人口減少と戦ってきたが、依然として世界最大の経済大国のひとつ」だと指摘した。同氏は「日本は死の渦にはまってはいない。(出生率の低下は)人々が想像していたほど厄災ではなかった」と強調した。