2022年現在、で韓国の生産可能人口(15~64歳)の割合は71%で、中国(69%)・米国(64.9%)・日本(58.5%)より高いが、2040年になると事情が完全に変わる。国連の世界人口見通しによると、2040年の韓国の生産可能人口の割合は56.8%に下がり、中国(62.9%)・米国(61.5%)よりはるかに低くなる見通しだ。日本は韓国よりも低い53.8%と推定されている。
26日、ソウル市中(チュング)の大韓商工会議所にて産業通商資源部のイ・チャンヤン長官主宰で開かれた「第1次産業大転換フォーラム座長会議」で、官民の参加者が「10年後の危機の兆候」の最優先順位に挙げたのは人口問題だった。「これまでは生産年齢人口が多く扶養人口は少ない『人口ボーナス』を活用して成長を維持できたが、今後は世界で最も急速に働く人が減り、経済成長を引き下げる『人口オウナス(onus・負担)』を心配する境遇」と憂慮した。
人口急減の流れと共に、重要な人材の韓国からの流出も心配しなければならない点として挙げられた。スイス国際経営開発研究院(IMD)が算出した2020年現在の韓国の「頭脳流出指数」(0~10点)は4点で、主要64カ国のうち43位だった。米国(6位)・ドイツ(9位)・日本(27位)はもちろん、中国(40位)より低い。順位が低いほど流出が多いという意味だ。ここに外国専門人材の活用度が経済協力開発機構(OECD)の中で最低水準という問題が重なっている。2020年現在の外国出身者の人口の割合は2.4%で、OECD37カ国の平均14.1%よりはるかに低い。
この日のフォーラムは、人口オウナスに続き「急速な海外投資の増加による産業空洞化」を主要な危機の兆候として挙げた。韓国企業の国外への直接投資は2015年304億ドル、2017年449億ドル、2021年には759億ドルで、毎年10%以上増加しているのに対し、外国企業の韓国内投資は同じ期間に168億ドル、230億ドル、295億ドルで半分水準にも及ばない。また、韓国内の製造業への投資は85兆7千億ウォン、106兆ウォン、100兆2千億ウォンで、2017年以降100兆ウォン(約10.5兆円)前後にとどまっている。
この他にも、対立的労使関係をはじめとする「後進的企業環境による企業負担の慢性化」、「新しい成長動力の不在、研究・開発(R&D)は焼け石に水」、「複雑になるグローバル対外環境」などが韓国経済を脅かす主要要因として指摘された。
昨年10月、経済団体を中心に産学研の関係者100人余りを集めた「産業大転換フォーラム」の発足に続いて開かれたこの日の行事は、投資・人材・生産性・企業環境・グローバル戦略・新ビジネスの6分科の民間座長と政府関係者が集まった最初の全体会議だった。産業部は、今後フォーラムで議論される内容を土台に今年上半期中に「産業大転換戦略」を提示すると明らかにした。