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中国の成長率3%、目標値の「半分」…「世界の工場」の高速成長が止まった

登録:2023-01-17 20:59 修正:2023-01-18 08:59
2022年の中国GDP成長3.0%、世界平均とほぼ同じ 
12日、中国北京の建設現場を労働者が眺めている=北京/ロイター・聯合ニュース

 昨年、中国の国内総生産(GDP)は前年より3.0%成長し、昨年初めに中国政府が明らかにした目標(5.5%前後)の半分水準にとどまった。韓国経済に直接影響を及ぼす中国経済の今後の流れは、短期的には新型コロナウイルスの展開状況などによって大きく揺れる見通しだ。

 中国国家統計局は17日午前に記者会見を開き、「2022年の中国の経済成長率は3.0%に達する」と発表した。これは外信と専門家の予想(2.7%)よりは高いが、中国国務院が昨年3月に出した2022年目標である「5.5%前後」には大きく及ばない数値だ。一緒に公開された中国の昨年第4四半期の成長率は2.9%だった。中国経済は、新型コロナ大流行初年度の2020年には2.2%成長し、翌2021年には前年度の低成長の基底効果が反映され8.4%に反騰した。

 昨年の経済成長率3.0%は、社会的大混乱期だった「文化大革命」が終わった1976年以後、新型コロナの直接的影響を受けた2020年に続き2番目に低いものだ。中国は1989年5月、天安門民主化運動を弾圧して受けた国際制裁により1990年に3.9%成長した後、1990年代と2000年代を経て7~14%の高速成長を遂げた。2010年代に入ると成長率は以前より低くなったが、依然として6~9%の成長を維持した。

 これは、2000年代に入り「世界の工場」と呼ばれ世界経済の成長を率いる牽引車の役割を果たしてきた中国経済が、今や世界平均とほぼ同じ位置に立つようになったことを意味する。世界銀行は最近、2022年の世界経済成長率を2.9%と推算した。中国経済の成長率の傾向が今のような水準で維持されれば、韓国経済は大きな打撃を受け、米中の戦略競争構図にも根本的な影響があるとみられる。

中国の経済成長目標値と実際成長率=資料:韓国銀行//ハンギョレ新聞社

 中国経済が不振になった決定的要因は「ゼロコロナ」政策だ。中国は3年近く1人の感染者も容認しない厳格な防疫政策を維持してきたが、昨年末になってようやく「ウィズコロナ」に転換した。ゼロコロナ政策は2020~2021年には中国経済を支える役割を果たしたが、昨年は大きな悪材料として作用した。特に昨年の4~6月、人口2400万人の最大経済都市である上海が全面封鎖され、首都北京や広州、重慶、成都、武漢などの主要都市をはじめ中国全域がかなりの期間にわたり封鎖された。そのために住民所得が下がり、消費が萎縮する現象が続いた。16~24歳の青年失業率は昨年末17~18%に達するなど高止まりした。その他、中国の新型コロナ感染症の拡散で苦境に立たされたアップルなどのグローバル企業が生産拠点をインドや東南アジアに移転したことや、半導体など先端産業で中国の足を引っ張ろうとする米国の対中牽制の動きも大きな懸念材料だ。

 中国経済の今年の成長率については、4%台前半から5%台後半までと機関ごとに予測の差が大きい。中国経済の回復を期待するグローバル投資銀行は5%台、冷静な立場の世界銀行・国際通貨基金などは4%台前半~中盤の成長を予測している。中国経済の今年の成績は、短期的には新型コロナ感染症の状況がどのように展開するかに大きな影響を受けざるを得ない。英国のフィナンシャルタイムズは先月末、今年の中国の経済状況を予測し、「中国政府の防疫緩和は当分の間、再拡散につながらざるをえないが、1年間で多くのことが変わる可能性がある」と見通した。

 中国政府は強力な経済浮揚の意志を明らかにしている。実際、物価と金利の状況に余裕があり、通貨政策を使う余地がある状況だ。しかし、新型コロナ感染症の状況が依然として流動的で、致命的な新しい変異株が発生するなどの変数が残っている。住民の消費欲求が戻るかもカギだ。昨年、中国の家計の銀行預金は18兆元(約340兆円)増加した。新型コロナと経済展望に対する不安により、人々が消費を先送りした結果だ。

北京/チェ・ヒョンジュン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1076088.html韓国語原文入力:2023-01-17 17:55
訳J.S

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