中国は、一部の輸入品について新型コロナウイルス防疫を緩和する。輸入の遅滞による経済への悪影響を減らすための措置だ。
中国の防疫機関「国家衛生健康委員会」は12日、ウェブサイト上で「輸入品のコロナ統制業務の最適化に関する通知」を公開した。輸送時の輸入品の温度が10度以上であれば、特別な危険要素がない場合は、PCR検査と予防的消毒は実施するなという内容だ。輸送温度が10度以下の冷蔵・冷凍製品に対する検査は続けられるが、ウイルスが検出されても業者に対して輸入中止措置は取るなという伝える内容も含まれている。この通知は各省、自治区、直轄市などに送られた。
今回の措置は、輸入品に対するコロナ検査と消毒の実施によって輸入に時間がかかり、中国企業や中国に進出している外国企業がかなりの不便を強いられていることを考慮したものとみられる。同委員会は「感染症は防ぎ、経済は堅固にし、発展は続けなければならない」とし、「産業チェーンとサプライチェーンの安定を保障しなければならない」と述べた。
実際に、中国では輸送に時間がかかるため、輸入を諦めることが少なくない。ある在中同胞事業家は本紙に「2020年のコロナ禍発生以降、外国から持ち込まなければならない製品の輸入に時間がかかり過ぎるため、輸入を諦めたこともあった。中国国内では同じ製品を探すのが難しいため困っていた」と語った。
今回の措置により、韓国製衣類などがコロナの感染源だと疑われる例がなくなるかどうかが注目される。遼寧省大連市や江蘇省常熟市などはコロナの感染経路を追跡し、韓国製衣類や宅配の表面からコロナウイルスが検出されたと4月に発表している。一部の地域は、韓国からの貨物に対する検疫を強化してもいる。委員会は「最近の研究によると、常温ではコロナウイルスはほとんどの物品の表面で生存期間が短く、1日で全て不活性化された」とし「感染症リスクには効果的に備えなければならない」と述べた。
ロイターによると、中国は北京の卸売食品市場の労働者がコロナに集団感染しことを受け、2020年6月に輸入の冷蔵および冷凍食品のコロナ検査を開始している。北京市はその6カ月後、複数の科学者が製品の表面との接触によるコロナ感染のリスクは低いと語っていたにもかかわらず、他の製品に対するコロナ検査も勧告している。