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ウクライナで「民間人射殺」のロシア兵、犠牲者の妻に「許しを請う」

登録:2022-05-21 10:23 修正:2022-05-21 11:52
ウクライナ検察、終身刑を求刑…ロシア大統領宮は論評なし 
被害者の妻「捕虜交換のための返還には反対しない」
民間人射殺の容疑で起訴されたワディム・シシマリン兵長が19日、ウクライナのキーウの法廷に立っている=キーウ/AP・聯合ニュース

 非武装の民間人射殺という戦争犯罪を起こした容疑で起訴されたロシア兵士が、犠牲者の妻に「許しを請う」と謝罪した。

 ロシア軍の戦車兵ワディム・シシマリン兵長(21)は19日(現地時間)、キーウの法廷で開かれた2日目の公判で、犠牲者の妻カテリーナ・シェリポワさんに対して「私の罪を認める。許しを請う」と述べた。シシマリン被告は2月28日、ウクライナ北東部地域の村で、シェリポワさんの夫オレクサンドル・シェリポフさん(62)を銃で撃ち死亡させた疑いで起訴された。この日、丸刈り頭に青と灰色のパーカーを着て出廷したシシマリン被告は、ガラスブースの被告人席でうら悲しい表情を浮かべながら静かな口調で自分の過ちを認め、許しを請うた。

 シェリポワさんはこの日の法廷で、事件が起きた日、家の庭で銃声を聞いてすぐに夫に電話したと証言した。「夫の元に駆けつけたがすでに死んでいた。頭を銃で撃たれていた。私は大声で泣き叫んだ」。さらに、夫は非武装で民間人の服装だったと付け加えた。

 しかしシェリポワさんはまた、マリウポリのアゾフスタリ製鉄所で最後まで抗戦しロシアに降伏したウクライナ兵たちについて、「私たちの子どもたち」との捕虜交換のためにシシマリン被告をロシアに帰さなければならないとしたら、それに反対しないと述べた。

 シシマリン被告は、当時非武装の民間人を射殺しろという命令に従う義務があったのかという質問に「いいえ」と答えた。彼は、当時一緒にいた兵士が強圧的な口調で、自分が撃たなければ皆が危険に陥ると迫ったと述べたが、その兵士は上官ではなく「名前の分からない一般兵士」だったと付け加えた。また、自分の出身地について「私は(シベリア地域の)イルクーツク・オブラストから来た。弟が2人、姉が2人で、自分が長男」だと話した。これまでに「ガーディアン」など主要な海外メディアは、今回の戦争で「希望の見えないロシア辺境を脱するために軍に入隊した後、ウクライナ侵攻に動員された少数民族の青年たちが、次々に遺体となって故郷に帰ってきている」という事実を伝えている。

 原告を担当したウクライナの検事は同日、シシマリン被告に終身刑を求刑した。

 クレムリン(ロシア大統領宮)は裁判について、知っていることはないとして何ら論評していない。

パク・ピョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1043658.html韓国語原文入力:2022-05-2011:29
訳C.M

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