ウクライナ内戦地域で、政府軍と親ロシア派の武装勢力が互いに相手から攻撃を受けたと主張した。米国とロシアは、ロシア軍兵力の撤退をめぐり対立するなど、ウクライナの危機は情報戦の形で長期化する兆しをみせている。
ウクライナ東部のドンバス地域の親ロシア派武装勢力は17日(現地時間)、ウクライナ政府軍が自分たちに攻撃を加えたと主張した。ロシアのメディアが報じた。「RIAノーボスチ」通信は同日未明、ウクライナ軍がルガンスク共和国4地域に迫撃砲などで攻撃を行ったと、共同統制調整委員会(JCCC)に派遣されたルガンスク共和国代表の言葉を引用して報道した。ルガンスク共和国は、2014年のウクライナ内戦の時、親ロ分離主義勢力がドンバス地域に建てた自称独立国だが、国際社会では国家として認められていない。共同統制調整委員会はロシアと親ロ派の武装勢力、そしてウクライナが2015年に結んだ停戦協定「ミンスク協定」の履行のために作った組織だ。しかし、ウクライナ軍は攻撃を否定し、むしろ親ロ派の武装勢力が自分たちに砲撃を行うなど挑発していると主張したと、ロイター通信が報じた。このような出来事は、2014年のウクライナ内戦以降何度もあったが、ウクライナ危機の過程で同様の出来事が発生し、注目を集めている。
フランスとドイツはウクライナ危機の仲裁過程で、現在まともに機能していないミンスク協定の復元を最優先事項に掲げている。ロシアのメディアによるこの日のウクライナ軍迫撃砲攻撃報道は、ウクライナ危機がロシアの兵力の増強ではなく、内戦地域でのウクライナの挑発のためだというロシアの主張を正当化するためのものとみられる。
前日の16日、ロシアはウクライナ国境地域およびクリミア半島に配置されたロシア西部軍区の一部の兵力が基地に撤退したとして、関連動画を公開した。しかし、ロシアがむしろ7千人の兵力を増強したと米政府高官が指摘したという米メディアの報道が出るなど、双方の対峙は緩和されていない。