本文に移動

タリバン「女子大生は目の他は全て覆い隠せ」…女性の人権弾圧が現実に

登録:2021-09-07 13:05 修正:2021-09-07 13:18
目の部分以外を覆うムスリムの服装の着用を前提に 
女性の教育を禁止したタリバン政権1期目のときとは違いを示す 
「授業・登下校で男女が会ってはならない」 
「女性教員が足りない」実効性に疑問も
アフガニスタンのカブールで5日、女子生徒たちが授業を終えて帰宅している=カブール/EPA・聯合ニュース

 アフガニスタンを再び掌握したイスラム原理主義勢力タリバンが、私立大学の開講を控え、女性に大学教育を許可すると明らかにした。しかし、目だけ見えるニカブを着用し、男女を厳格に分けて授業を受けなければならないという但し書きをつけた。

 AFP通信は5日、タリバン新政府の教育当局がこのような内容で女性たちの教育に関する法令を発表したと報じた。

 女性たちにニカブの着用を条件に大学教育を許可するというのは、以前と違って「包容的」な政策を展開するというタリバン新政権の立場に合わせたものと受け止められる。タリバンの「第1期政権」(1996~2001年)では、女性の学校教育が禁止されていた。また、公共の場所ではムスリム女性の服装の中で最も規制の厳しいブルカを着なければならなかった。ブルカは頭から足首まで全身を覆い、目も網で覆うもの。ニカブはこれより一段階下で、目を網で覆うことなく出すことができる。しかし最近は首都カブール市内でブルカやニカブを着用する人は見かけない状況で、このような服装規制は以前より明らかな退歩と解釈される。タリバンは、私立大学の女子学生に対し、ニカブの着用だけでなく体全体を隠す長衣の「アバヤ」を着用しなければならないと発表した。

ニカブ=出典:アマゾンドットコム//ハンギョレ新聞社

 タリバン政権はさらに、大学で男女分離を徹底的に守るよう命じた。同法令によると、男女は教室を分離しなければならず、教室を分けることができなければカーテンなどで区切り、互いに会うことができないようにしなければならない。女子学生の教育は女性だけが受け持つこととした。女性教員がいない場合、「人格が優れた高齢男性教員」が受け持たなければならないとした。男子学生と女子学生は学校の出入り口も別々に使い、女子学生の授業は男子学生より5分早く終え、男女が会わないようにした。男子学生が下校するまで女子学生は待機室で待たなければならない。

 タリバン政権1期が米国の攻撃で没落した後、アフガニスタンの女性進学率は大きく上昇した。今回の措置は、このような現実に沿った折衷策とも考えられる。すでに、タリバンが先月中旬以降、カブールを占領する過程で教育施設を攻撃し、街頭でブルカを着ていない女性に危害を加えたという話も流れ、懸念が広がっている。

 この措置に対しては実効性に疑問を呈する声も出ている。匿名のある大学教授はAFP通信に「女性たちに登校を許可したのは非常に肯定的な措置」だと述べながらも「女性教員数が足りず、女子学生たちを分離して教える教室も十分ではない」と話した。

 これに対する反発で、カブールなどでは教育と雇用での男女平等を要求する女性たちの小規模なデモが続いている。タリバンの報道担当は4日、カブールで女性デモ隊に暴行を加え、外国メディアの記者に銃口を向けた事件と関連し、タリバン隊員4人を逮捕したと発表した。しかし、新政府の構成が終わっておらず治安も不安だとし「今はデモをする時ではない」と警告した。現在、アフガンの人口の60%程度は過去にタリバン統治を経験していない若い世代であるうえ、西欧の文明とインターネットを経験した人々なので、タリバンが過去のように原理主義に基づいた政策を展開した場合、少なからぬ摩擦が予想される。

 一方、タリバンは6日、反政府軍の最後の拠点であるパンジシール州を完全に掌握したと明らかにした。AP通信はタリバンの戦士数千人が夜中の作戦でパンジシール州の8つの区域を掌握したという目撃者の話を伝えた。アシュラフ・ガニ大統領の海外逃亡以降、大統領代行を主張するアムルラ・サレ前副大統領が率いる「アフガン民族抵抗戦線」はパンジシール州で抵抗を続けてきた。

 「アフガン民族抵抗戦線」はタリバンの勝利宣言にもかかわらず、自分たちは戦略的拠点を依然として掌握しているとし、「タリバンとの闘争は続く」と述べた。

イ・ボニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1010641.html韓国語原文入力:2021-09-07 02:04
訳C.M

関連記事