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新型コロナ感染から6カ月経ても疲労感・認知障害など各種後遺症

登録:2021-07-16 20:09 修正:2021-07-17 06:38
英国などの研究陣が56カ国3762人調査 
症状の3分の1は6カ月以上持続 
認知障害、生理変化、性機能障害も多数 
「呼吸器以外の臓器にも影響…精密調査が急務」
新型コロナ感染者の65%が、感染から6カ月を経ても疲労感、認知障害など様々な後遺症に苦しんでいることが明らかになった。アルゼンチンのある病院の新型コロナ集中治療室=ローマス・デ・サモーラ/AP・聯合ニュース

 世界56カ国3762人の新型コロナ感染者を調査した結果、感染後遺症が200種類を超え、うち66種類の症状は数カ月以上続くなど、後遺症が深刻なことが分かった。

 英国ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンなどの国際研究チームは、昨年9~11月に実施した世界の新型コロナ感染者対象オンラインアンケート調査を通じて、28日以上続く後遺症を調査した結果、ウイルス感染が10の身体臓器に影響を及ぼし、後遺症の3分の1は6カ月以上続いていたと明らかにした。研究者はこうした研究結果を国際学術誌『EClinicalMedicine』に発表したと、英国の日刊ガーディアンが15日(現地時間)に報じた。

 感染から6カ月を経ても続いた症状のうち、最も多いのは疲労感と全身無力感、認知障害だったと研究陣は明らかにした。幻視(実在しないものが見える現象)、悪寒、皮膚のかゆみ、女性の生理周期変化、性機能障害、動悸(心悸亢進)、膀胱調節障害、帯状疱疹、記憶喪失、下痢、耳鳴り、視力障害なども多く現れたと研究陣は明らかにした。

 研究陣は、時間が経過した後に症状がさらに悪化する現象も捉えたと明らかにした。主著者である英国ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの神経科学者アテナ・アクラミ(Athena Akrami)氏は「感染6カ月後にも持続した後遺症は、体系的な様相を見せた」として「体温調節障害、疲労感、全身無力感や脳・脊髄・神経など神経関連症状がこうした様相を示す」と話した。回答者のうち6カ月以上続く感染後遺症があると答えた人は、全体の65%にあたる2454人だった。

 アクラミ氏は「英国の新型コロナ後遺症治療は呼吸器症状の回復に集中している」として「より包括的なアプローチが必要な他の症状も多数現れている」と指摘した。アクラミ氏は自身も新型コロナに感染して16カ月が過ぎた今でも様々な症状に苦しんでいるとして、「多くの患者が新型コロナ関連症状であるのか確信できないまま、孤独に苦痛を味わっている可能性が高い」と付け加えた。

 新型コロナの後遺症は、労働にも相当な影響を及ぼしたと調査された。全体の22%は解雇や自発的退社などで仕事をしていないと答え、45%は労働時間を減らしたと答えた。

 研究陣は「新型コロナの後遺症が呼吸器以外の多くの臓器にも影響を及ぼしている」として、国家次元の後遺症調査を通じて実態を正確に把握し、治療の対策を用意しなければならないと求めた。

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1003824.html韓国語原文入力:2021-07-16 13:47
訳J.S

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