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日本政府の有識者会議「五輪開催は困難との意見表明を検討」

登録:2021-06-02 08:44 修正:2021-06-02 09:51
朝日新聞「専門家たちが感染爆発状況では困難との認識を共有」 
WSJ「東京五輪、どんな形で行われても損失に直面する」 
今月1日、オーストラリアのソフトボール代表チームが成田空港に到着し、新型コロナウイルスの検査を受けるために待機している/AP・聯合ニュース

 日本政府の有識者会議「新型コロナウイルス感染症対策分科会」(以下分科会)の専門家の間で「東京感染状況がステージ4(感染爆発)相当の状態が続けば、東京五輪・パラリンピックの開催は困難」という意見が相次いでいると、朝日新聞が1日付で報じた。それだけでなく、「分科会の有志による見解として公表することも検討している」と報道した。

 朝日新聞によると「17人いる(分科会の)正規メンバーのうち、感染症や経済の専門家の多くは、ステージ4で開催が困難との意見で一致している」という。分科会は新型コロナの感染状況をステージ1~4に分類している。最も深刻な「ステージ4」は緊急事態宣言を出す目安となる。ただし、意見を公表するかどうかは慎重に検討していると同紙は報道した。また、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会が6月中に日本国内の観客の有無を決める予定だが、意見を公表するなら組織委の発表前が望ましいとの意見も出ていると、同紙は報道した。

 分科会委員らは東京でステージ4であれば、感染者が増加して医療体制の逼迫が深刻化し、日本国民への医療提供に支障が出ると評価しており、のため「開催は難しい」との認識を共有していると、同紙は報じた。分科会委員らはまた、「ステージ3(感染急増)で開催するとしても、無観客や大会の規模を縮小するなどの工夫が必要だとの認識」だという。開催によって新型コロナウイルスを国外に広げる可能性と関連し、日本の責任についても指摘があったという。

 これに先立ち、先月31日付の毎日新聞は、分科会が東京五輪の開催について新型コロナ感染状況の「リスク評価」の提言作成を進めたものの、政府の了解を得られず提出が見送られていると報じた。

 日本内外で東京五輪開催に対する懸念が相次ぐ中、米国のウォール・ストリート・ジャーナルは「日本が東京五輪をどんな形で開催しても、経済的損失に直面する見通しだ」と31日付で報じた。同紙は、五輪を中止した場合、経済損失は165億ドルを超える可能性があるという野村総合研究所のエコノミスト、木内登英氏の推定を引用した。また、東京五輪が開かれ日本の国内観客の観戦を認めた場合、損失をどれだけ挽回できるかについては、専門家らの意見が分かれているものの、海外の観光客を誘致するほどの効果は享受できないだろうと指摘した。

 一方、今月1日、オーストラリアのソフトボール代表チームが東京五輪への出場のため日本に入国した。彼らは群馬県で合宿しながら五輪に備える。昨年の東京五輪延期後、海外の代表チームが五輪に備えた事前合宿を行うために来日したのは初めて。

チョ・ギウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/997506.html韓国語原文入力:2021-06-01 11:56
訳H.J

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