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「韓国、不動産偏重の家計負債、『遅い崩壊』が始まった可能性」

『包摂金融』出版 キム・ヨンギ 生産と包摂金融研究会代表インタビュー 
住宅ローン負債が大きい30・40代の消費が縮小し、内需小企業・自営業者の売上に圧力 
名目GDPに対する家計負債比率基準の限界 
総量目標の引き上げ、政策の信頼低下の懸念
キム・ヨンギ生産と包摂金融研究会代表=写真/キム・ガユン//ハンギョレ新聞社

「低い延滞率は『遅い崩壊』の可能性を否定する指標ではない」

  生産と包摂金融研究会のキム・ヨンギ表は24日、ハンギョレとのインタビューで「韓国の金融システムの骨格を成す住宅担保融資は、外見上は堅固に見えるが、『遅い崩壊』のリスクを抱えており、すでにその道に入っている可能性がある」と述べた。キム代表は昨年『生産的金融』を出版した後、今月19日に発表した『包摂金融』を通じて、不動産担保中心の金融システムの変化を促している。亜洲大学の教授を務めたキム代表は、文在寅政権時代に大統領直属の雇用委員会副委員長として活動したこともある。「生産的金融」と「包摂的金融」は、現政府の金融政策のキーワードだ。

 キム代表が言及した「遅い崩壊」の経路は、銀行の融資構造が住宅担保融資に偏っている中で金利が上昇し、所得が停滞し、住宅価格の調整が絡み合い、家計の返済負担が増大する状況を指す。これは金融機関の不良債権を増やし、経済全体の停滞につながる。この過程は、まず家計消費と内需売上を弱め、長期にわたって蓄積されると金融機関の資産健全性にまで圧力をかける可能性がある。2008年のアメリカのサブプライムモーゲージ危機が急激な爆発であったなら、1990年代の日本の不動産バブル崩壊は10年以上にわたる緩やかな崩壊であったという説明だ。

 キム代表は「延滞率が低い中でも消費と成長率が徐々に低下する状態は十分にあり得る」とし、「これが『遅い崩壊』の典型的経路だ」と強調した。延滞は、家計がさまざまな対応手段を消費した後に現れる後続指標だと説明されている。延滞に入る前に外食・旅行・耐久財の購入を減らし、貯蓄を減らしたり金融資産を処分したり、銀行からノンバンクに移動する形で先に対処するということだ。キム代表は、特に住宅負債と消費規模が大きい30・40代でこのような調整が顕著になる可能性があると見ている。彼らが元利金返済のために消費を減らすと、内需に依存する小企業や自営業者の売上減少につながり、これが再び家計融資の返済能力を低下させる悪循環を引き起こす可能性があるという説明だ。5大銀行(KB国民・新韓・ハナ・ウリィ・NH農協)を基準とした家計融資の延滞率は、第1四半期末の0.32%から第2四半期末には0.33%に上昇し、2016年第1四半期末(0.36%)以来の高水準となった。

 キム代表は、全体の延滞率の水準よりも、延滞率の内部で警戒すべき動きが見られると指摘した。ノンバンクの延滞率が急速に上昇し、脆弱な借り手の比率が高まっていることを示している。ニンバンクの家計向け融資の延滞率は、昨年第4四半期末の2.08%から今年第1四半期末には2.26%に上昇し、脆弱な借り手(多重債務者で低所得または低信用の借り手)の比率は、昨年第3四半期末の6.4%から今年第1四半期末には6.7%に上昇した。さらに、韓国銀行が先月基準金利を2.75%に引き上げた後、追加引き上げの意向を明確に示した状況もある。

 韓国政府は名目国内総生産(GDP)に対する全体の家計融資比率を2030年までに80%以下に下げることを政策の基準としている。この比率は、昨年末の88.1%から今年第1四半期末には85.3%に低下した。家計信用(家計融資残高+販売信用)が急速に膨らみ、6月末現在で史上初めて2000兆ウォンを超えたが、名目国内総生産はこれよりも早く増加しており、目標を前倒しで達成できるとの判断が金融当局から示されている。

 これについてキム代表は、「名目国内総生産比率の低下は、借入世帯の元金・利息負担の軽減や融資構造の改善、金融資金の生産的部門への移動を意味するものではない」と述べた。「名目国内総生産は実質生産の増加だけでなく、物価上昇によっても増加し、半導体企業の利益のように一部の産業に偏った所得の増加によっても大きくなる可能性がある。名目国内総生産が増加したからといって、住宅ローンを保有する家計の所得と返済能力が同じ割合で改善されたとは言えない。」

 キム代表は「家計債務の持続可能性は、分母の成長とともに借り手のキャッシュフロー、返済構造、資金の用途を基準に判断すべきだ」と述べ、「家計債務対策に資金の不動産偏重の改善を含めること」を提案した。「同じ100兆ウォンの融資でも、企業の設備投資や住宅の新規供給に使用された場合と、既存住宅の所有権移転に使われた場合とでは、経済全体に与える影響が異なる。既存の住宅購入ローンは新たな生産や所得に結びつかず、負債の増加を通じて消費余力の減少につながる」。したがって、家計負債の増加率が名目国内総生産成長率よりも低いだけでなく、負債を保有する世帯の可処分所得の増加率よりも低い状態が持続しているかどうかを確認し、借り手のキャッシュフロー、返済構造、資金の用途を総合的に考慮する必要があるという主張だ。

『包摂金融』キム・ヨンギ生産と包摂金融研究会代表著//ハンギョレ新聞社

 金融当局が今年の家計融資総量増加率目標を1.5%から3.0%に倍増させる措置についても懸念を示した。キム代表は「増加率目標を引き上げた一定の政策的理由があるため、単に規制が緩和された、住宅価格を抑えられなくなったという評価は難しい」としつつも、「総量目標を景気や住宅政策に応じて頻繁に変更すると、政策への信頼が弱まる」と付け加えた。彼は住宅供給金融と既存住宅購入ローンを区別し、家計ローンが項目ごとにどれだけ配分されているかを確認し公開することを提案した。

 新たに出版した本のタイトルにした『包摂金融』について、キム代表は「すべてのリスクを金融機関が負うべきだという主張ではない」とし、「金融がリスクをより正確に判断し、負担が難しいリスクは分担し、回復可能な人々や組織に再び金融の道を開くべきだという主張であり、善良な金融の論理ではなく、良い金融システムを作るための論理だ」と述べた。

キム・ヨンベ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1274319.html韓国語原文入力:2026-08-24 16:29
訳J.S