超好況期を迎えた韓国の造船所で安価な労働力として投入された移住労働者たちが、差別的待遇に反発し、労働組合の結成に乗り出している。
5日午後、蔚山市東区(ウルサンシ・トング)のHD現代重工業前で、全国移住労働者共同行動大会が開催された。現代重工業の蔚山造船所で働くスリランカ出身の移住労働者チャリタ氏が演壇から「私たちは奴隷ですか?闘いましょう!」と叫ぶと、参加者たちの間から歓声が上がった。チャリタ氏は自分が署名した労働組合加入申請書を掲げ、移住労働者にも労働組合が必要だと声を上げた。
移住労働者の組合結成の動きは、現代重工業が直接雇用した移住労働者の労働契約書を変更(更新)したことから始まった。今年6月分から適用される新たな契約書は、これまで移住労働者にのみ控除されていた食費を韓国人と同じく無料化する代わりに、基本給を従来の約204万ウォン(約21.6万円)から187万ウォン(約19.8万円)に削減することが骨子だ。固定残業として月30時間も含まれている。
現代重工業は2023年から直接雇用した移住労働者に対し、生活支援金(宿泊・食事)名目で毎月50万ウォン以上を控除してきた。論争が起きたことを受け、昨年からは昼食代21万ウォンを一括で差し引き、朝食と夕食は食べた分だけ金額を徴収した。会社側は最近になってようやく毎食を無料で提供し、これまでに課した食費も遡って支払うとして一歩譲歩した。また、現代重工業は1年単位で契約する移住労働者の基本給を引き上げなかった。昨年、2兆ウォン(約2100億円)を超える営業利益があったにもかかわらず、直接雇用した移住労働者には成果給が支給されなかった。
会社側は来年から毎年一定水準で基本給を引き上げ、移住労働者の能力に応じて追加で段階的に引き上げる計画を明らかにした。当初は労働者の能力に応じて差別的に支給するとされていた成果給は、移住労働者の反発により一括支給へと変更された。
一部の移住労働者は依然として変更契約書への署名を拒否している。すでに契約書に署名した労働者たちも、自発的な同意ではなかったと反発している。自らの権利保護などのために労働組合への加入・結成が必要だという共感が、さまざまな国籍の造船所の移住労働者の間に広がっている。
昨年、現代尾浦造船と合併した現代重工業の元請けの組合員は1万人余り。直接雇用の移住労働者は約1600人。社内下請け労働者(約2万6千人)まで範囲を広げると、移住労働者の割合は約25%に達する。
低賃金の移住労働者問題は、韓国人の雇用の悪化をはじめ、造船所が好調であるにもかかわらず地域経済が停滞する原因と指摘されている。民選8期の蔚山市が造船所の人手対策として試験的に実施している「造船業種広域型ビザ」(E-7-3)についても、低賃金構造が改善されなければ、移住労働者が地域社会に定着するのは難しいとの指摘が出ている。長期滞在が可能なこのビザを利用して投入された移住労働者は、計画人数440人のうち133人で、早ければ今月中に追加配置される。