世界経済の秩序を揺さぶっているドナルド・トランプ米大統領が、慶尚北道慶州(キョンジュ)アジア太平洋経済協力(APEC)の行事で、グローバル企業家に向けて演説を行う。サムスンやSK、現代自動車、LGなど韓国の主要グループのトップらは、米国フロリダ州のマール・ア・ラーゴリゾート近くで行われた「ゴルフ会合」に続き、慶州でもトランプ大統領に会う可能性が高い。先端産業などをめぐり覇権争い中の米中両国の企業家たちも、韓国で一堂に会する。サプライチェーンをめぐる対立の中で、グローバル企業の代表らが共に協力案を議論する場となる見通しだ。
26日、財界によると、トランプ大統領は29日に慶州で開催するAPEC最高経営者(CEO)昼食会で基調演説を行う予定だ。今月31日〜来月1日の首脳会議の本会議への出席を見送ったトランプ大統領が、訪韓当日にまず企業家たちに会うということだ。
これは首脳会議の付帯行事である民間企業中心の「CEOサミット」の当初の日程にはなかった内容だ。関税を前面に出して各国の対米投資を要求し、米国の製造業復活を目指すトランプ大統領が、自ら企業家たちに会い米国現地への投資を強調するものと予想される。
この日CEOサミットに出席するサムスン電子のイ・ジェヨン会長、SKグループのチェ・テウォン会長、現代自動車グループのチョン・ウィソン会長、LGグループのク・グァンモ会長らグループのトップも、トランプ大統領と10日ぶりに再会することになった。彼らは18日(現地時間)、トランプ大統領の別荘であるマール・ア・ラーゴリゾート近くのゴルフ場で共にゴルフを行った。この場でチョン・ウィソン会長はトランプ大統領に「(トランプ大統領の)韓国訪問に皆の期待が大きい」と伝えた。
慶州芸術の殿堂で今月28〜31日に開かれるCEOサミットは、20の公式セッションと各国首脳の特別演説、外部フォーラム、行事に出席した企業家1700人余りの交流・コミュニケーション行事などで構成される。30日に韓国を国賓訪問する中国の習近平国家主席も、トランプ大統領に続き、企業家の前で演説する可能性がある。
特に目を引くのはグーグル、マイクロソフト、メタ、アマゾンなど米国のビッグテック(巨大技術企業)と、中化集団(シノケム)、CATL、JD.com など中国企業の代表たちが今回の行事を機に一堂に会すという点だ。深刻な米中の対立の中で、製造業強国である韓国の企業との協力を望む海外企業のトップが相次いで慶州を訪れる。
行事で最も注目を集めているのは、世界の人工知能(AI)市場を率いる米国エヌビディア(NVIDIA)のジェンソン・ファンCEOだ。ファンCEOは31日、国内外200社のマスコミが参加する中、単独の特別セッションで演説する計画だ。エヌビディア側は「ファンCEOはAIやロボティクスなど全世界の技術革新と成長を加速化するための会社のビジョンを共有するだろう」と述べた。