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韓国経済、関税ショック前に内需・輸出共に不振…低迷の泥沼から抜け出せるか

登録:2025-04-25 06:49 修正:2025-04-26 07:21
第1四半期の成長率、マイナス0.2%
韓国銀行のイ・ドンウォン経済統計2局長(中央)が24日午前、ソウル中区の韓銀本館で、2025年第1四半期の実質国内総生産(速報)の主な特徴を説明している=韓国銀行提供//ハンギョレ新聞社

 韓国経済が第1四半期に再びマイナス成長の泥沼に陥り、低成長を通り越して沈滞の危機に追い込まれている。米国による関税戦争など対外からのショックが本格化する前に、内需と輸出が同時不振に陥った様子だ。今後、関税発のショックまで加われば、景気下降はさらに加速化する可能性が高い。

 韓国銀行が24日発表した資料「2025年第1四半期実質国内総生産(GDP)」によると、韓国経済は昨年第2四半期のマイナス成長(-0.2%)以降、なかなか持ち直せなかった。今年第1四半期までの1年間、事実上「ゼロ成長」にとどまった。経済成長率が4四半期連続で0.1%を下回ったのは、過去の経済危機の時にも見られなかったことだ。

 今年第1四半期には主要支出項目が全て前期に比べて減少した。まず、内需不振がさらに進んだ。GDPで比重が大きい建設投資は、昨年第2四半期から四半期ごとに大幅に縮小している。前期に比べて減少率は-3.2%、前年同期に比べて-12.2%に達する。建設投資の不振は四半期ごとの成長率を0.3〜0.6ポイントずつ下げている。昨年下半期から今年初めまでソウル不動産市場は熱かったが、非首都圏地域には冷たい風が吹いている。 韓国銀行は「建設は高金利時期を経て不動産プロジェクトファイナンスの不良と未分譲の増加、主要原材料価格と人件費の急騰などで収益性の悪化が続いている」とし、「最近1年間成長の足を引っ張った主な要因」だと指摘した。

 昨年第3四半期に持ち直した(0.5%・0.2%)民間消費も、再び停滞(-0.1%)した。民間消費は成長率を引き下げるほどではないが、寄与度が以前に及ばないというのが韓銀の評価だ。韓国銀行は「家計債務と高齢化など構造的な問題に加え、コロナ禍以降急増した耐久財消費のベース効果が数年間続いている」と話した。消費者の経済状況が厳しくなっているのに元利金の返済に使う分は減らないため、大金の支出を躊躇(ちゅうちょ)しているという意味だ。

 これまで成長率を持続的に支えてきた設備投資(-2.1%)と輸出(-1.1%)も不振だった。半導体を除けば、ほとんどの輸出品目が減少した。グローバル景気失速にともなう需要不振により、鉄鋼・石油化学などの輸出が減り、エネルギーと原材料・中間材の輸入も同時に大幅に減った。だが、輸出より輸入がさらに多く減少した「不況型成長」のおかげで、成長率の下落を一部相殺した。韓国銀行は「輸出を支える半導体が二桁上昇し下方圧力を減らしたが、全般的な輸出見通しは明るくない」と述べた。4月に入り20日までの通関基準の輸出も前年同期に比べ5.2%減だ。

 政府消費(0.0%ポイント)と投資(0.1%ポイント)の成長寄与度は微々たるものだった。政治の不確実性などによる内需不振とグローバル景気鈍化という下方圧力を目の前にしても、先制的な補正予算の編成など積極的な努力に乗り出さず、財政の早期執行だけにこだわった結果だと指摘されている。政府の政策失期と安易な対処が景気不振を深化させたという意味だ。新韓投資証券のアナリスト、ハ・ゴンヒョン氏は「昨年末の政局の混乱がさらなる成長の勢いの悪化をもたらした。新たな浮揚策の執行が行われない中、遅い予算執行が衝撃を大きくした」と語った。

 今後の見通しはさらに暗い。韓銀の調査によると、4月に入っても消費者心理指数と企業心理指数は20年の長期平均線(100)を下回り、昨年12月の非常戒厳以前の水準を回復することができなかった。さらに深刻な問題は、関税ショックが本格化する前に、内需と輸出が軒並み低迷に陥ったことだ。シティバンクのエコノミスト、キム・ジヌク氏は「第1四半期の成長率が予想より低く、米国関税によるネガティブな衝撃が本格的に長期間続く可能性がある」と話した。

キム・フェスン、ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1194189.html韓国語原文入力: 2025-04-24 21:16
訳H.J

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