昨年のスマートフォン市場でサムスン電子がシェア1位を守ったという記事があふれた翌日に、アップルが1位を占めたとの報道が出て、混乱が起きている。両企業間の差は微々たるものであるため、市場調査機関ごとに順位が異なって集計されたものとみられる。
14日の市場調査機関「カウンターポイント」の資料によれば、昨年の世界のスマートフォン市場でサムスン電子の出荷量シェアは19%と集計された。わずかの差でアップル(18%)を上回り1位を守った。一方、「IDC」は昨年アップル(18.7%)がサムスン電子(18.0%)を上回ったと分析した。サムスンとアップルをそれぞれ1位とした二つの市場調査機関が数時間差で報道資料を出したため、混乱が大きくなった。
これは1・2位が超接戦を繰り広げた結果と読み取れる。IDCの集計ではアップルの出荷量は2億3210万台、サムスン電子の出荷量は2億2340万台と調査された。ただし数百万台の差で1・2位が分かれる状況であるため、市場調査機関ごとに集計されたデータの微細な差により順位が入れ替わったということだ。
より注目すべき点は、1・2位の企業のシェアの下落傾向だ。両市場調査機関の集計によると、サムスンとアップルは共に昨年よりシェアが下がったと表れた。例えば、IDCの資料を見ると、アップルのシェアは2023年の20.1%から昨年は18.7%に、サムスン電子は19.5%から18.0%に下がっている。両企業の出荷量がそれぞれ200~300万台ほど減った結果だ。
アップルとサムスンが失ったシェアを占めたのは中国だ。中国のシャオミ(Xiaomi)は昨年、出荷量が15.4%増えた。それに伴いシェアも12.5%から13.6%に上がり、3位体制をさらに強固にした。カウンターポイントとIDCはそろって「5位圏の企業の中でシャオミが最も速い成長傾向を見せた」と評価した。