韓国の証券街は、今年第1四半期のサムスン電子半導体事業が小幅な黒字、もしくは赤字転換するだろうと予想している。今年の年間営業利益は半分になる可能性もあるという分析だ。イ・ジェヨン会長の司法リスク解消有無が会社に及ぼす影響は限定的だとみる雰囲気だ。
6日、金融情報提供会社のFnGuide(エフアンドガイド)のホームページによれば、最近証券街が提示したサムスン電子半導体(DS)部門の今年第1四半期(1~3月)の営業利益見通しの平均は6300億ウォン(約660億円)。今月に入ってサムスン電子の報告書を発行した証券会社19社の予測値から算出した数値だ。これらの証券会社は、昨年第3四半期(3兆8642億ウォン)と第4四半期(2兆9000億ウォン)へと続いた営業損益の悪化の流れがさらに激しくなるとみている。
一部の証券会社はいきなり赤字に転じる可能性が高いと見ている。ユアンタ証券のペク・キルヒョン研究員は、サムスン電子半導体が第1四半期に営業損失900億ウォン(約94億円)を出すだろうと予想した。そうなれば、昨年第1四半期の黒字転換後、1年ぶりに再び赤字状態に入ることになる。
暗い見通しにはサムスンの技術競争力の不振と季節的要因が影響を及ぼした。第1四半期は半導体業界でオフシーズンに分類されるうえに、季節性から比較的自由な高帯域幅メモリー(HBM)の実績も悪化する可能性が高いということだ。これに先立ってサムスンは、第5世代製品(HBM3E)の品質改善作業と米国の対中輸出統制強化で、会社の第1四半期のHBM販売が減少すると説明している。ファウンドリ(半導体受託生産)事業部の相次ぐ赤字も負担になる要因だ。
下半期の業績回復も制限的である可能性がある。実際、今月証券会社は、今年のサムスン半導体の営業利益が12兆7000億ウォン(約1.3兆円)台を記録し、昨年(15兆1000億ウォン)より15%ほど減少すると予想した。現代自動車証券をはじめとする証券会社3社は、昨年の半分水準である7兆~8兆ウォン台にとどまるとみている。中国の推論モデルの人工知能(AI)「ディープシーク」の出現で、すでに下落傾向にある半導体の景気全般を巡る不確実性が一層大きくなったという診断だ。
サムスン電子のイ・ジェヨン会長の二審無罪判決に対する関心は高くなかった。3日の判決以後、これを扱ったのはKB証券だけだった。大多数の証券会社はイ会長の司法リスク解消が会社の実績や株価に及ぼす影響は限定的だと判断したわけだ。KB証券のキム・ドンウォン研究員は「最高経営者の司法リスク解消で今後サムスン電子の不確実性が緩和する局面に進入することが予想される」としながらも、目標株価を7万ウォンで維持した。