来月12日、鉄鋼・アルミニウム製品に米国政府が25%の関税を課すことにした中、さらに韓国の自動車部品メーカーが主に生産する各種の金属類部品も大部分が関税対象品目に上がっていることが分かった。大企業に比べ相対的に「関税戦争」関連の情報には距離があり対応余力の弱い中小・中堅企業は地団太を踏んでいる。
23日の韓国貿易協会の説明によれば、18日(現地時間)に米政府が鉄鋼・アルミニウム製品に25%の関税を賦課すると明らかにした大統領布告の付属書には、関税賦課品目に290品目(米貿易代表部の国際商品分類体系HTS基準)が上がっている。鉄鋼とアルミニウムを加工して作る完成品と部品だ。この付属書公告は10~11日に発表された鉄鋼・アルミニウム関税賦課命令の後続措置だ。
対象品目は全方位的に広がっている。車両用エアコンからその他のモーター(EV用モーターなど)の部品、産業の随所に使われるボルトやナットまでが射程圏内に入る。自動車部品の中には、その他のバンパー、バンパー部品、圧延機、サスペンションシステムその他の部品、パワートレインその他の部品の5品目が含まれている。これら5品目の昨年の韓国の対米輸出額は23億ドルで、対米輸出額全体の約2%程度だ。ほとんどが現代自動車・起亜の協力会社が生産する品目だ。
アインズ(AINs)のイ・ハング研究委員(元自動車融合技術院長)は「自動車部品の生産は中小企業が占める割合が高く、中堅企業が受注したものを下請けで製作するケースも多い」とし「そのためローカル輸出(間接輸出)をしている相当数の中小部品メーカーが高関税による原価上昇の圧迫に直面しかねない」と話した。イ委員は続けて「完成車が関税負担による原価上昇分を、相対的に交渉力の弱い協力会社に一部転嫁する恐れもある」と補足した。韓国自動車産業の中枢とも言える自動車部品業界そのものが、米国による関税戦争にさらされているという説明だ。
自動車部品業界は関税戦争の嵐に巻き込まれているが、これといった対応策を立てられずに不安だけを吐露している。これは米政府の関税政策の不確実性が依然としてあり、韓国政府の対応策が樹立されていない影響が大きいが、完成車メーカーに比べて事態の展開を把握する余力も足りないためだ。韓国自動車産業協同組合のイ・テクソン理事長はハンギョレに「鉄鋼・アルミニウム派生製品に対する影響と対応は協会レベルでもまだ準備できていない」と打ち明けた。
韓国貿易協会のハン・アルム首席研究委員は「今後、米商務省で具体的な関税賦課対象と算定基準を発表するが、製品別に鉄鋼・アルミニウムの比重を計算し、その価額に対して関税率を適用しなければならないため、韓国の中小企業が関税算定に関して感じる負担も相当ありうる」と述べた。
現在、米国の関税戦争を契機に韓国政府が出した対策は、中小・中堅企業を対象に海外マーケティングや市場調査・コンサルティング、通訳・翻訳、法律・税務諮問サービスなどにかかる費用を一部補填する「輸出バウチャー」制度に留まっている。