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「トランプ通商脅威の中でも韓国にチャンスあり…半導体、バイオの立地拡大も」

登録:2025-02-18 08:56 修正:2025-02-18 09:33
韓国産業研究院が分析 
14日、スペインのビルバオ港にコンテナが積まれている=ビルバオ/ロイター・聯合ニュース

 米国のドナルド・トランプ政権の全方位的な関税圧力で各国が対応に腐心する中、トランプ政権の政策が韓国にとって機会要因になる可能性を問いつつ、能動的に対応すべきだとの指摘もなされている。

 産業研究院は17日に発表した「米国第一主義通商政策の主な内容と韓国の対応の方向性」と題する報告書で、トランプ政権が米国の製造業の衰退と中産階級の没落の責任を、米国から貿易黒字をあげている国々に全面的に転嫁していることは「学問的にも道義的にも正しいとは考えられない」と指摘。そして、トランプ政権の関税・非関税障壁に対する懸念が最も大きい分野として、韓国の対米輸出額の35%を占める自動車をあげている。

 しかし報告書は、米国の全面的な通商戦略の改編は「各業種に脅威と機会の要因を複合的に提供する見通し」だとして、半導体、バイオ医薬品、自動車、バッテリー、造船などの業種は「従来の国際分業構造が変化することにより、中長期的に世界の輸出市場における韓国の立地を保護、強化する可能性が十分にある」と診断している。報告書は、米国が不公正な貿易行為だと主張する為替レートの操作、輸出商品の付加価値税の還付、輸入制限、関税などの分野で韓国市場の開放度は比較的高いとしつつ、米国にとっての他の貿易赤字対象国とは異なり、「貿易転換効果」をあげる可能性も低くない、との見通しを示している。普遍関税が課されるなどで韓国商品の価格が上がったとしても、中国や欧州連合(EU)が反ダンピング・相殺関税が課されるなどの追加的制裁を受ければ、韓国商品の価格競争力は相対的に高まるということだ。同じ脈絡から、米国の主なけん制対象は中国であるため、韓国の中心的な輸出業種は中国企業との競争で有利になるという効果も期待できると指摘している。

 報告書は、トランプ政権の通商再編戦略において機会要因を生かすためには、米国と主要国との貿易関係を総合的に検討すべきだと述べている。さらに、韓国の産業・通商政策は「一つの争点に埋没することなく、国の産業ポートフォリオ全体の損益を展望および計算する必要がある」として、「大国の政策にともなう被害の分析と、それを回避するための代案の立案という受動的、防衛的アプローチ」から脱すべきだと主張している。

イ・ボニョン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1182811.html韓国語原文入力:2025-02-17 13:49
訳D.K

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