ドナルド・トランプ米大統領の鉄鋼に対する25%の関税賦課措置が現実化される場合、ポスコ・現代製鉄のみならず、対米輸出依存度が90%台に達する油井用・送油管用の鋼管メーカーがはるかに大きな打撃を受けることが懸念されるとの分析が出てきた。
12日、韓国信用評価が発表したレポート「米国の輸入鉄鋼への関税賦課発表に対する韓国信用評価の意見」によると、2024年基準で鉄鋼の種類別に出荷量(内需+輸出)に占める対米輸出量の比重は鋼管が23.9%で、他の鉄鋼商品に比べてはるかに高い。一方、ポスコ・現代製鉄を中心とする冷延・熱延はこの割合が4.3%(合算)だ。特に、米国への輸出の割合は油井用鋼管は97.9%、送油管輸出は78.2%に達し、最近の米国市場向け輸出量は月間基準で送油管約8万トン、油井用鋼管約5万トンだ。
報告書は「(セア製鋼・ヒュースチールなど)主な鋼管業者としては、採算性の高い対米エネルギー用鋼管の輸出実績がこれまで韓国内需市場の低マージン構造や建設の景気低迷にともなう実績の変動性を補ってきたが、今回の関税措置が現実化する場合、鋼管輸出業者の収益構造の弱体化が浮き彫りになるだろう」との見通しを示した。
報告書はまた、2025年1月平均の熱延・冷延鋼板の韓国内での流通価格と米国国際価格の差は30%水準だとし、「長距離輸出にともなう各種の輸出費用と運搬費などに加え、25%の関税が追加で課されれば、韓国製鉄鋼は米国市場で価格競争力が大幅に弱まるか、シェア死守のために販売価格引き上げに制限がかかるなど、輸出マージン縮小の圧力に直面することになる」との見通しを示した。
韓国信用評価は、2024年の対米輸出額基準で関税25%賦課にともなう韓国の鉄鋼業の最大エクスポージャー(リスク露出額)コストを8.9億ドルと評価した。2024年、韓国の米国市場への鉄鋼輸出量は277万トン(韓国製鉄鋼の世界への輸出量の9.8%)、輸出金額で35億ドルだが、この輸出金額の25%程度をエクスポージャーと評価したわけだ。韓国信用評価側は「この関税25%を米国市場での販売価格に転嫁するか、または以前と同じ価格で米国輸出価格を策定し関税25%分を追加コストとして被る状況を想定したもの」と説明した。
報告書はまた、今回の措置に後続する一連の輸入規制が鉄鋼市場に及ぼす波及効果も考慮しなければならないと述べている。米国側が自動車・半導体品目でも関税を検討しているが、これが鉄鋼を素材にした主要需要産業(自動車・半導体など)の輸出にも悪影響を及ぼし、鉄鋼需要を直接・間接的にさらに制約する可能性があるという話だ。さらに貿易相手国が報復関税で対応すれば、通商環境全般に関税・非関税の壁が高まり、韓国国内および主要な近距離の輸出地域内で中国・日本製の鉄鋼との競争が深刻化することもありうる。