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韓国、今年から第2次ベビーブーム世代の引退始まる…「年成長率0.4p」の衝撃波

登録:2024-07-14 19:51 修正:2024-07-15 06:58
1964~1974年生まれの954万人が順次引退 
韓銀「定年延長・年金改革など議論が必要」
ベビーブーム世代のための就職博覧会で、参加者が志願書を作成している=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 「第2次ベビーブーム」世代が今年から引退時点に入り、韓国の経済成長率が年間0.4ポイント下落する可能性があるという韓国銀行の分析が出た。韓銀は「継続雇用および定年延長について社会的議論が必要な時点」と提言した。

 韓銀は今月1日に発表した報告書「第2次ベビーブーム世代の引退年齢進入にともなう経済的影響評価」で、第2次ベビーブーム世代(1964~1974年生まれ)に属する954万人(総人口に占める比重18.6%)が今年から順次法定引退年齢(60歳)に進入したことにより、これらの世代の引退が雇用率に及ぼす影響をシナリオ別に分析した。

 それによれば、60代男女の雇用率が2023年水準(男68.8%・女48.3%)を維持するシナリオでは、第2次ベビーブーム世代の引退にともなう就業者数の減少で経済成長率が今後11年間(2024~2034年)にわたり年平均0.38%下落すると推定された。ただし、この分析はベビーブーム世代の引退が青年層の労働市場への新規参入や全要素生産性などに及ぼす影響は考慮されていない。引退年齢への進入が昨年完了した第1次ベビーブーム世代(55~63年生まれ・705万人、総人口に占める比重13.7%)の場合、労働人口減少により2015~2023年の年間経済成長率が0.33%下落したと韓銀は推定した。

 報告書は「今年からは第1次より規模が大きい第2次ベビーブーム世代が労働市場を離脱することにより、成長潜在力がさらに大幅に落ちるのではないかという憂慮がある」とし「第2次ベビーブーム世代の場合、第1次世代より良好な経済・社会・文化的特性があり、効果的な政策と制度変化が後押しすれば否定的影響はかなり縮小できると予想される」と診断した。

 韓銀は第2次ベビーブーム世代の肯定的特徴として、相対的に高い所得・資産と労働意欲を挙げた。統計庁の経済活動人口調査によれば、55~79歳の内で継続勤労を希望する回答者の割合は2012年の59.2%から2023年は68.5%へと大幅に上昇した。韓銀は60歳以上の雇用率がここ10年間の上昇率を維持する場合、今後10年間の経済成長率の下落幅も当初の予想値(0.38%)より低い0.24%に縮小されると分析した。もし日本の定年延長(60→65歳・2006年)後の60代男女雇用率上昇の傾向に沿う場合には、成長率下落幅は0.16%へとさらに減ると推定した。

 また、第2次ベビーブーム世代の引退が内需基盤を強化する可能性もあるとの主張も提示された。第2次ベビーブーム世代の純資産規模は第1次ベビーブーム世代より相対的に大きく、平均消費性向(消費支出を可処分所得で割った割合)も高いという理由からだ。

 韓銀のイ・ジェホ調査総括チーム課長は「第2次ベビーブーム世代の良好な経済・社会・文化的特性に効果的な政策が加われば、彼らの引退が成長潜在力に及ぼす否定的影響はかなり縮小されるだろう」とし、「高齢層の雇用延長制度と資産流動化および年金制度改善など政策的支援について社会的議論が必要な時点だ」と主張した。

キム・フェスン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1147214.html韓国語原文入力:2024-07-01 16:31
訳J.S

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