韓国銀行が3年半ぶりに政策金利を引き上げた。長きにわたり続いてきた緩和的な金融政策を引き締め基調へと転換したのだ。主要国は米国とイランの戦争で引き起こされた物価上昇圧力に対応し、相次いで金利を引き上げている。本格的な金利上昇期に備えて、経済主体は今こそ積極的な債務管理に取り組むべきだ。
韓銀金融通貨委員会(金通委)は16日、現在年率2.50%の政策金利を2.75%へと0.25ポイント引き上げることを決定した。7人の金通委員の全員一致によるものだ。金通委は通貨政策の方向性に関する決議文で「今後の通貨政策は利上げ基調を維持していく必要があると判断される」と述べ、本格的な引き締めサイクルへの突入を予告した。市場は、今年中に少なくとももう一度、政策金利の引き上げがあるとみている。
金通委が引き締めへと転じたのは、原油価格を中心として物価上昇圧力が高まる一方で、景気回復が明確になっているからだ。消費者物価上昇率は5月(3.1%)と6月(3.2%)に相次いで3%台を記録し、韓銀の物価目標(2%)を大きく上回った。さらに、1ドル=1500ウォンを超えるドル相場、家計ローンの増加、株や不動産などの資産市場への資金の偏りなども、利上げの主な要因となった。一方、半導体の好況により、今年の実質国内総生産(GDP)成長率は3%前後に回復する見込みであり、所得の改善により物価上昇圧力はさらに高まる、というのが韓銀の判断だ。
他国も引き締めサイクルに入りつつある。先月には欧州連合(EU)と日本が利上げを実施し、米国も年内に引き上げられるとの見通しが高まっている。世界的な引き締めの流れは始まったばかりであり、米国とイランの戦争の長期化によってインフレ圧力が構造化かつ長期化するとの予測が有力になっている。韓銀のシン・ヒョンソン総裁はこの日の記者説明会で、「物価が目標水準に安定的に収束するという確信が得られるまで対応を続ける」と述べた。さらなる利上げや引き締めの長期化にしっかりと備える必要がある。
金利は金融および実体経済に広範に影響を及ぼす。利上げは為替レートに対する不安、不動産や株などの資産市場の過熱を落ち着かせるのに役立つが、家計や企業の借入コストが上昇するため、消費や投資を萎縮させうる。特に国内の家計ローンは変動金利の割合が高いため、金利が上昇すると直ちに影響を受ける。無理に借金して株や不動産に投資すると、リスクは今後さらに高まるだろう。多くの借金を抱えるぜい弱階層や限界中小企業の困難も、より大きくならざるを得ない。当局は今こそ、金融のセーフティーネットを綿密に点検すべきだ。