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サムスン電子の第2四半期の予想実績、営業利益1兆円突破

登録:2024-07-06 06:00 修正:2024-07-06 07:39
第2四半期の実績は1兆2千億円…1年9カ月ぶりに1兆円突破 
AIブーム、メモリー半導体の好況…株価終値8万7100ウォン
サムスン電子の瑞草本社の様子/聯合ニュース

 サムスン電子が今年第2四半期に10兆ウォン(約1兆1650億円)を超える営業利益を上げたことが分かった。市場の期待値を大きく上回る「アーニングサプライズ」だ。人工知能(AI)ブームに乗ってメモリー半導体の好況が続いた影響とみられる。市場では、第1四半期にSKハイニックスに引けを取ったサムスン半導体が逆転に成功したかに注目が集まっている。

 5日、サムスン電子が発表した暫定業績によると、同社は今年第2四半期(4~6月)の売上高74兆ウォン(約8兆6100憶円)、営業利益10兆4千億ウォン(約1兆2000億円)を記録した。前四半期よりそれぞれ2.9%、57.3%の増加。四半期の営業利益が10兆ウォンを超えたのは、半導体の酷寒期が本格化する前の2022年第3四半期以来。今回の実績は証券界の見通しの平均(営業利益8兆3千億ウォン)を大きく上回るものだ。

 サムスン電子の実績は、AIブームでメモリー半導体の好況が本格的に始まった結果と分析される。サムスン電子の第2四半期の部門別実績は31日に公開されるが、証券界はメモリーの販売価格上昇の影響で半導体(DS)部門の営業利益が6兆ウォン(約7千万円)台を記録したと推測している。前四半期(1兆9140億ウォン)の3倍を上回る規模だ。一方、モバイル(MX)部門は半導体価格の上昇で原価負担が増え、実績が悪化した可能性が高い。

 一回性の要因も働いた可能性が高い。証券界では在庫資産評価損失の還入も営業利益の増加に少なからぬ影響を与えたとみている。最近メモリー価格が再び上がっただけに、「半導体酷寒期」の時に費用の形で反映した在庫資産の価値下落分を一部戻したことで、利益がより一層大きく増えたという意味だ。

 下半期にもサムスン電子の業績は改善の流れを続ける見通しだ。まずメモリー需要が供給を上回る好況が当分続くという分析が多い。AIブームでメモリー需要が全般的に増えたうえに、業界の生産力量が収益性の良い高帯域幅メモリー(HBM)に集中し、一般のメモリーの供給規模が制限されているためだ。ギャラクシーの新製品が発売される第3四半期には、モバイル部門の実績も上向きになる可能性が高い。証券界はサムスン電子の第3四半期の営業利益が12兆ウォン(約1兆3900億円)水準になると予想している。

 サムスンの半導体がSKハイニックスを再び追い抜くことができるかも注目される。SKハイニックスは今年第1四半期に営業利益2兆8860億ウォン(約3300億円)を記録し、サムスン電子の半導体部門(1兆9140億ウォン)を上回った。サムスン電子の方がメモリー生産規模は大きいが、収益性の高い4・5世代HBMを供給できておらず、利益の面で引き離されたのだ。ファウンドリなどの赤字も影響を及ぼしたものと分析される。 SKハイニックスの第2四半期の営業利益見通しの平均は5兆ウォン(約5800億円)台だが、最近は6兆ウォン(約6900憶円)台を提示する証券会社も登場している。サムスン半導体とSKハイニックスが抜きつ抜かれつを続けている格好だ。

 サムスン電子は同日の有価証券市場で、前日より3.0%値上がりした8万7100ウォン(約1万136円)で取引を終えた。暫定実績が発表された後、外国人投資家と機関を中心に買い注文が多くなった。これにより、2021年1月25日(8万9400ウォン)以来3年半ぶりの最高値を記録した。

イ・ジェヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/1147904.html韓国語原文入力:2024-07-05 17:41
訳H.J

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