メモリー半導体の業況に青信号がともった。これまで人工知能(AI)ブームでデータセンターに集中していたメモリー需要が、個人用コンピューター(パソコン)やスマートフォンでも伸びる兆しをみせている。サムスン電子とSKハイニックスの実績も一層速い改善の流れをみせると予想される。
27日、米メモリー半導体企業「マイクロン・テクノロジー」の発表によると、同社は2024会計年度第3四半期(3~5月)に売上68億1100万ドル(約1.1兆円)、営業利益7億1900万ドル(約1150億円)を記録した。それぞれ直前四半期より17%、276%増えた数値だ。証券界隈の期待値(売上高66億7千万ドル)をも上回った。
成長傾向はAIブームの中心であるデータセンター向け売上が牽引した。特に、NAND型フラッシュベースのデータ保存装置(SSD)部門の売上が13億5300万ドルで、直前四半期より50%増えた。大容量データ保存装置は、高帯域幅メモリー(HBM)とともにデータセンター向け需要が多いメモリー製品の一つだ。一方、モバイル部門の売上は1%減の15億8800万ドルに止まった。スマートフォン市場が低迷している影響だ。
今年下半期(6~9月)からは伝統的なIT部門の売上も期待できる。マイクロンは、パソコンとスマートフォンの顧客企業がメモリーの在庫を積み増し始めたと説明した。メモリー価格が騰勢を示す中で、データセンター側の需要急増がややもすれば「メモリー品薄現象」に突き進む恐れがあるとの懸念が作用した結果だ。AI搭載のパソコン・スマートフォンの発売競争が真っ最中である点も影響を及ぼした。マイクロンは「(慣行とは違って)来年の長期契約を確保しようとする顧客も増えている」と述べた。
メモリー業況全般が好調に向かっているといえる。これは特に、サムスン電子の業績に有意な影響を与えるとみられる。サムスン電子はまだ4・5世代HBMを正式に供給できておらず、AIブームから多少疎外されていた。SKハイニックスに比べてパソコン・スマートフォン業況により多く頼っているということだ。メモリー好況が続く中、今年末に予想される平沢(ピョンテク)第4工場(P4)の稼動が始まれば、サムスン電子の成長傾向はさらに強まる可能性もある。
マイクロンの実績はSKハイニックスの「HBM独走」を再確認させもした。マイクロンは、今四半期のHBMの売上は1億ドル(約1400億ウォン)以上と明らかにした。HBMで四半期ごとに数兆ウォン水準の売上を上げているハイニックスとは対照的な成績表だ。これはマイクロンが収率を十分に引き上げられなかった結果と解釈される。