ドルに対するウォン相場が12日、17カ月ぶりに1370ウォンを突破した。米国の金利引き下げの期待が弱まったうえに、韓国銀行のイ・チャンヨン総裁のこの日の発言が外国為替市場への介入意志がないと解釈され、レートがさらに下落したと市場は解釈する。
12日、ソウル為替市場でのウォン相場は、前日より11.3ウォン安の1ドル=1375.4ウォンで取引を終えた。1370ウォン台のレートは2022年11月10日(取引中に1378.5ウォン記録)以来だ。最近連日続いているドル高ウォン安は、主にグローバル「ドル高」が続いているためだ。10日(現地時間)に発表された米国の3月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で3.5%上昇したことが明らかになり、米連邦準備制度理事会(FRB)の金利引き下げ期待が後送りされ、一方で欧州中央銀行(ECB)が11日(現地時間)、金利凍結と共に6月の金利引き下げ開始を示唆したため、ドル高現象が深刻化している。ドルインデックス(主要6カ国の通貨に対するドル価値)は同日、105.63(韓国時間午後4時30分)を記録した。
特に、韓国の為替当局が市場に介入する意志は低いと判断され、ウォン安がさらに進んだと市場では解釈された。この日、韓国銀行のイ・チャンヨン総裁は、4月の金融通貨委員会会議後に開いた記者懇談会で「基本的にドル高の影響を受けるため、為替レートは韓国だけが切り下げられるわけではない」として「過去とは異なり米国など海外株式に直接投資する個人投資家も多く、海外純資産が大きく増え、先進国型の為替市場構造が定着した。レートの変化によって経済危機が訪れる状況ではない」と述べた。イ総裁は「(韓国経済の)ファンダメンタルズに比べ、やや過度に(ウォンの価値が)切り下げられている面があるのではないかと、注意深く見ている」と付け加えた。為替市場の参加者たちは、イ総裁の発言について「為替防御のための当局の介入の可能性は低い」と解釈したものと分析される。