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韓国、経済成長率への首都圏の寄与度、2015年以前は52%、以後は70%

登録:2024-03-26 05:28 修正:2024-03-26 07:52
半導体工場の分布が影響 
首都圏への「生産集中」大幅増
サムスン半導体の平沢工場全景=平沢市提供//ハンギョレ新聞社

 主に首都圏に工場を置く電子部品(器興(キフン)・華城(ファソン)・平沢(ピョンテク)・利川(イチョン)の半導体など)業種の生産増加率が過去12年間で大幅に上昇し、首都圏への経済力の集中がさらに高まったことが分かった。一方、非首都圏に主に位置する主力製造業(自動車・化学製品・機械工業など)は、中国との競争激化や生産性下落などによって成長の勢いが大きく鈍化し、首都圏と劇的な対比を示していることが分析された。

 25日に韓国銀行が発表した報告書「生産・所得・消費の面からみた地域経済現況」は、全国16の市・道別(世宗市は忠清南道に含まれる)の経済的成果を、2001~2014年と2015~2022年に分けて比較評価した。全国の総生産に首都圏(ソウル・京畿道・仁川市)が占める割合が50%を初めて超えた2015年を基準として、その前後の期間を分析した。生産面で韓国全体の経済成長率に対する首都圏と非首都圏の寄与率をみた結果、首都圏の寄与率は、2001~2014年の51.6%から2015~2022年には70.1%に上昇。その反面、非首都圏の寄与率は、同期間中に48.0%から29.9%に大幅に縮小した。

韓国銀行の報告書「生産・所得・消費の面からみた地域経済現況」より。GRDP(地域総生産)の成長に対する地域別寄与率。左は2001~2014年、右は2015~2022年。赤は京畿道、茶色はソウル+仁川、青は非首都圏//ハンギョレ新聞社

 特に、最近の首都圏への生産集中の激化を生じさせている主な要因は、各地域別の「製造業」の地理的分布と生産格差であることが分かった。地域別の主力製造業種の成果によって成長率の格差が大きくなっているということであり、首都圏の場合、半導体などの電子部品業種が地域の製造業に占める割合は30.9%(2020年出荷額基準)に達する。首都圏で「その他機械」産業の割合(9.8%)もかなり高いほうだ。分析の結果、この2つの産業の生産増加率は、2015~2022年中に年平均でそれぞれ11.1%と9.1%を記録し、製造業の成長を主導した。半導体などの電子部品業種の生産増加率は、2015~2022年に年間9~13%に達する。

 これとは違い、非首都圏をみると、非首都圏全体において製造業に占める割合が高い業種(2020年出荷額基準、自動車14.4%、化学製品12.2%、鉄鋼11.3%)での生産増加率は、2015~2022年中にそれぞれ年平均で0.9%、1.6%、-1.3%と振るわなかった。報告書を作成した韓国銀行のイ・イェリム課長(調査局)は「首都圏は生産性の高い半導体などの先端電子部品産業を中心に製造業の成長が継続した反面、非首都圏は自動車・化学製品・機械工業などが中国との競争激化や生産性下落などによって成長が大きく鈍化した結果だと分析された」と説明した。製造業の業種の分布に応じて、地域間格差が地域経済の成長の差別化と首都圏への集中に相当部分で寄与したわけだ。

韓国銀行の報告書「生産・所得・消費の側面でみた地域経済現況」より。首都圏の主要製造業の業種別生産増加率。縦軸は生産増加率(%)、横軸は左から電子部品、自動車、その他機械、食料品、化学製品//ハンギョレ新聞社

 イ課長は「製造業の生産は、京畿道や仁川などの首都圏や、忠清北道のような首都圏の隣接地域(清州)は、労働生産性の高い半導体などの電子部品を中心に成長の勢いが良好だったが、慶尚道や全羅道の市・道地域は、主力製造業が中国との競争激化などによって、労働生産性と労働投入のすべてが大きく鈍化し、生産がほとんど増えなかった」として、「非首都圏の地域は、技術開発など製造業の競争力を向上させる多角的な努力が重要だ」と述べた。

チョ・ゲワン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1133747.html韓国語原文入力:2024-03-25 16:31
訳M.S

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