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アップルの「閉鎖的生態系」に照準…米・欧同時に独禁法違反提訴と規制

登録:2024-03-22 19:52 修正:2024-03-23 11:42
米ニューヨーク・マンハッタンにあるアップルの売場に貼られた同社のロゴ=ニューヨーク/ロイター・聯合ニュース

 独自OSとモバイル機器互換で20年以上「閉鎖的生態系」を構築してきたアップルが、米国・欧州で同時に「反独占」規制に直面した。

 21日(現地時間)、米司法省は16の州とともにアップルを相手に反独占法違反訴訟を起こしたと明らかにした。この5年間の調査の末に提起した今回の訴訟は、アップルの「成功の秘訣」に挙げられてきた閉鎖的な生態系を向けられた。アップルは、独自開発した半導体チップと独自オペレーティングシステム(iOSなど)、固有プラットフォーム(APPストアなど)を通じてiPhone・iPad・MacBookなどのアップル機器を使う消費者を囲い、その中で消費させる方式を固守してきた。

 米司法省はこうしたアップルの生態系が「違法な排他的行為」だと主張。メリック・ガーランド司法長官は記者会見で「アップルが現在権力を維持しているのは(技術・サービス面の)優越性のためではなく、違法な排他的行為のため」だとし「ライバル会社を排除しようとする意図的な戦略を通じてこの数年間スマートフォン市場で独占力を維持してきた」と述べた。

 米司法省はまず、アップルがiPhoneの機能を統制し、ライバル会社が革新的なソフトウェアを提供することを妨げたと判断した。アップルが独自の「ウォレット(財布)」アプリ以外には他のライバル会社のデジタルウォレットサービスを使用できないようにした点も問題視した。米司法省はまた、アップルがライバル会社のハードウェア機器をiPhoneでは活用できないよう機能を制限したとみている。利用者を縛りつけておくためにアンドロイドなどアップル以外のOSを使うスマートフォンに機器を乗り換えられないようにしたとみなした。アップルがiPhoneのアプリストアからのみアプリをダウンロードできるようにすることで、他のアプリストアを許容せず、競争業者のアプリ提供を阻んだということだ。

 アップルは自社の事業戦略が独占禁止法違反には該当しないとし、防御権を積極的に行使するという立場だ。アップルは「今回の提訴はアップルのアイデンティティはもちろん、激しい競争市場でアップル製品を差別化する原則を脅かすもの」とし「訴訟が目的を達成した場合には、人々がアップルに期待する技術を創造する能力が妨害されるだろう」と明らかにした。

 アップルは欧州でも競争当局の規制を受けている。ブルームバーグ通信は同日、欧州委員会が近いうちにアップルとグーグルに対してデジタル市場法(DMA)違反の調査計画を発表する予定だと報道した。欧州委はアップルとグーグルがそれぞれの代替アプリストア開発者に新たに賦課しはじめた手数料および利用約款が、デジタル市場法の規定を順守しているかどうかを調査する方針であることが分かった。

 7日に施行されたデジタル市場法は、巨大プラットフォーム事業者の市場支配力の乱用を防ぐために、一定規模以上のプラットフォーム事業者を「ゲートキーパー」に指定し規制する法だ。アップル、マイクロソフト、グーグル・メタ(旧称Facebook社)など米国のグローバルビッグテックの大多数がゲートキーパーに指定された。彼らはサービスを競争業者に開放しなければならず、獲得した利用者の個人情報の無分別な活用が厳格に制限される。義務不履行の場合、全世界の年間売上額の最大10%まで課徴金が課される可能性がある。是正命令に従わなければ、課徴金の上限が全世界の売上の20%まで上がる可能性もある。

 これに先立ち、欧州委員会は4日、アップルが音楽ストリーミングアプリ市場で市場支配力を乱用したとし、18億4千万ユーロ(約3千億円)の課徴金を賦課した。アップルはデジタル市場法の施行によって、今月から欧州地域に限りアップルのアプリストアを通じずに開発者のウェブブラウザからアプリケーションをダウンロードすることを許容している。

パク・チヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1133446.html韓国語原文入力:2024-03-22 18:57
訳J.S

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