二次電池メーカーが短い充電時間と高いエネルギー密度(長い走行距離)が可能で、次世代電池として注目される全固体電池の開発に速度を上げている。電気自動車(EV)の消費が低迷してはいるものの、市場参入の初期段階であるため、未来電池の技術力の確保が目標にならざるを得ない。
SKオンは17日、米国の全固体電池メーカー「ソリッドパワー」と今月10日に米ラスベガスで技術移転協約を結んだと発表した。ソリッドパワーが保有しているバッテリーセル設計とパイロットライン工程に関連する技術の全てを研究開発に活用できるようになった。これに先立ち、ソリッドパワーはEV用全固体電池のAサンプルをドイツの自動車メーカーのBMWに納入したと明らかにした。SKオンは2025年までに大田バッテリー研究院に全固体電池の試験生産施設を構築する計画だ。
サムスンSDIは、国内企業の中で最も早く全固体電池の開発に乗り出し、サンプル生産に取り組んでいる。昨年末、サムスンSDIは全固体電池専門チームの「ASB事業化推進チーム」を新設。中大型電池事業部内の直属組織で、全固体電池事業を本格的に推進するチームだ。2027年以降の商用化を目標に開発を進めている。日本の自動車メーカー、トヨタも全固体電池を2027~2028年に商用化すると宣言し、昨年10月に量産に近づいたと発表した。
昨年上半期、日本企業のマクセルが世界で初めて超小型全固体電池の開発に成功したと明らかにしたが、EV用全固体電池の商用化はまだ実現していない。KB経営研究所は「現在研究中の固体電解質は硫化物系、酸化物系、高分子(ポリマー)系に分けられる。このうち、商用化に最も近い物質は硫化物系と言われているが、水と反応すると硫化水素(有毒ガス)が発生するため、これを改善するためにコーティングなど多様な方法が研究されている。困難は多いが、様々な解決策が試みられており、解決できるというのが大方の予想だ」と述べた。