「繰り延べられた景気低迷」、「L字型低成長の本格化」
LG経済研究院が憂鬱な経済見通しを公表した。同研究院は25日に発表した「2024年マクロ経済見通し」報告書で、「当初今年に予想されていた世界経済の低迷が繰り延べられ、来年中盤から現実化するだろう」とし、「2024年は世界経済が『L字型の長期低成長』に本格的に突入する年になるだろう」と予想した。
同研究院は来年の世界の経済成長率を今年(2.9%)より低い2.4%と見通し、今年予想された景気低迷が後ろ倒しになった「繰り延べられた景気低迷」が現れると予想した。今年の世界経済は、予想よりゆっくり減少した米国の家計現金、先進国の労働市場で構造的供給萎縮にともなう雇用の好調、景気・不動産不安などに対応した中国の財政支出の拡大などの影響で、「予想より善戦した」と評価された。それと共に「来年に繰り延べられた景気低迷の谷は相対的に深くはないだろうが、持ち直しの勢いも弱く、2%台中後半の成長傾向がL字型に数年間続くだろう」との見通しを示した。インフレの懸念が続き、金利を早期に大幅に下げることも難しく、政府が財政支出を積極的に増やすことも困難で、世界景気の持ち直しの勢いも微弱だという説明だ。
同報告書は新型コロナウイルス感染症の大流行以降、世界の物価水準は一段階高くなり、成長率は一段階低くなった「高物価・低成長」の局面に突入したと診断した。研究院がコロナ禍以前の5年(2015年~2019年)と今後5年(2024年~2028年見通し)を比較した結果、世界の物価上昇率は3.2%から4.9%へと高くなるが、経済成長率は3.4%から2.6%へと低くなると推算された。
韓国の来年の経済成長率は1.8%で、過去の経済危機状況を除けば、初めて2年連続で2%台を下回ると予想された。今年(1.3%)よりはやや高くなるが、依然として潜在成長率に及ばない水準であり、消費や投資など内需不振で景気回復を体感するのは難しい見通しだ。同報告書は「財政健全性および国家債務管理の強化基調で、金融政策および財政政策の面で積極的な政府の対応を期待することは難しく、その結果、景気反騰も弱いものと予想される」と診断した。
主要国の中央銀行が金融緩和に転じるという期待が最近高まっているが、生半可な楽観論を警戒しなければならないと報告書は指摘している。報告書は「米国の政策金利引き下げは来年半ば頃に始まり、その幅は1%以下にとどまるだろう」とし、韓国の政策金利引き下げは「米国よりさらに遅く、引き下げ幅もさらに小さい」と見通した。さらに「成長の勢いが鈍化し、市場需要と売上が萎縮するにも関わらず、高物価が解消されず、各種費用と負担が持続し、経済主体の二重苦が懸念される」と指摘した。