先月の韓国の失業率は2.1%で、10月の過去最低値を記録した。これは、経済活動人口に占める失業者の数が100人に2人に過ぎないということを意味する。今年の韓国の経済成長率は、コロナ禍の時期を除けば、2009年の金融危機以来14年ぶりの低水準となる1%台前半にとどまるとみられるが、雇用だけが好調なのはなぜなのだろうか。
国際通貨基金(IMF)は先日発表した「韓国年次協議報告書」に「韓国の失業率の低さについての理解」と題して分析コーナーを設けている。IMFは「韓国の失業率は歴史的な低水準」だとし、「不正常な低さ」だと診断した。
IMFが注目したのは「雇用マッチングの効率」だ。IMFは「労働市場のマッチング効率の改善が、コロナ禍以降の韓国の失業率低下に最も大きく寄与した」と指摘した。IMFの分析によると、マッチング効率は2021年から今年上半期まで、韓国の失業率を年平均で1ポイントほど下げるという影響を及ぼしている。
これは仕事を探す労働者と人材を求める企業が以前よりも出会いやすくなり、労働力の需給の不均衡が急速に解消されているということを示す。IMFは「コロナ解除にともなうサービス業雇用の拡大と、主にサービス業の仕事を求める女性や高齢者の労働参加の増加も、労働市場のマッチング効率の改善に寄与した可能性がある」と解釈している。コロナ禍が落ち着いてから大幅に増えた保健・福祉業、飲食・宿泊業などのサービス業の雇用は、製造業水準の熟練技術が必要ないため、雇用マッチングも相対的に容易だった可能性があるということだ。
コロナ禍初期に低下した求人率の上昇、生産年齢人口の増加率の鈍化なども、やはり失業率の低下に寄与していた。IMFは「中期的にみて韓国の労働市場のマッチング効率の改善が構造的に継続するとすれば、失業率はコロナ前より低い水準で保たれる可能性がある」との見通しを示した。