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またも上昇する韓国の住宅価格…5大銀行の家計融資残高が1兆5000億ドル増

登録:2023-09-02 06:56 修正:2023-09-02 07:21
ソウル南山から眺めたソウルのマンション群/聯合ニュース

 韓国の5大銀行の家計融資規模が先月1カ月間で1兆5000億ウォンほど増えたことが分かった。首都圏を中心に再燃している不動産購入心理が住宅担保融資の増加につながったことが影響していると分析される。家計負債の増加が半年近く続いていることで、通貨緊縮の「デレバレッジング」(負債縮小)効果が弱まることに対する懸念がより一層深まっている。

 1日の各銀行の集計によると、先月末の韓国5大銀行(国民、新韓、ハナ、ウリィ、農協)の家計融資残高は1カ月前に比べ1兆5912億ウォン(約1760億円)増の680兆8120億ウォン(約75兆3000億円)だった。6月(6332億ウォン)と7月(9755億ウォン)に比べて増加幅が拡大した。

 今回も住宅担保融資が増加をけん引した。先月末の5大銀行の伝貰(チョンセ・契約時に高額の保証金を賃貸人に預けることで、月々の家賃は発生しない不動産賃貸方式)資金融資を含む住宅担保融資の残高は514兆9997億ウォン(約57兆円)で、1カ月前から2兆1122億ウォン増えた。6月(1兆7245億ウォン)と7月(1兆4868億ウォン)よりも急激な増加だ。これは銀行が扱った後にまだ韓国住宅金融公社に渡っていない特例住宅ローンなどの政策金融商品が一部含まれている数字だ。カカオバンクを中心としてインターネット専門銀行が住宅担保融資を急速に拡大していることを考慮すれば、住宅担保融資全体の増加幅は5大銀行の集計を大きく上回る可能性が高い。

 これで金融圏全体の家計融資は先月まで5カ月連続で増加したと推定される。国内金融圏全体の家計融資は、今年4月に2000億ウォン増えたことを皮切りに、増加に転じた。その後、増加幅は5月2兆8000億ウォン、6月3兆5000億ウォン、7月5兆4000億ウォンと拡大し続けてきた。韓国銀行による度重なる政策金利の引き上げにもかかわらず、家計融資の増加が止まっていない格好だ。特に首都圏を中心に再燃した不動産市場が家計融資を刺激している。市場では、今年初めに市場投入された特例住宅ローン、各種の不動産規制緩和、今年上半期の貸付金利下落などを住宅価格反騰と家計融資増加の主な要因としてあげている。

 金融当局も、家計融資の増加を落ち着かせるための各種方策を打ち出している。ひとまず50年満期の住宅担保融資を受ける借主の総負債元利金返済比率(DSR、可処分所得に対する元利金の比率)を算出する際、満期を50年ではなく40年で計算することを検討中だ。こうすれば、借主の融資限度が多少下がる効果がある。住宅担保融資を攻撃的に拡大してきたインターネット専門銀行に対しても、手綱を引き締めている。カカオバンクは先月末から住宅担保融資の取り扱い対象者を、住宅を所有していない世帯に限っているが、これは金融当局に迫られての措置であることが知られている。

イ・ジェヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/1106789.html韓国語原文入力:2023-09-01 17:47
訳D.K

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