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制裁の迂回路を探す中国…次世代パワー半導体、5~10年内に「リーダー」に浮上

登録:2023-06-28 06:23 修正:2023-06-28 08:26
対外経済政策研究院「中国の半導体国産化の現況」報告書
ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 韓国の「K-半導体戦略」の主軸分野であり、技術確保をめぐる競争が激しい次世代パワー半導体の場合、中国が5~10年内にリーダーに浮上する可能性があるという分析が出た。中国の半導体製造競争力はグローバルのトップ企業に比べ、NANDフラッシュは2年、DRAMは5年程度の格差がある。

 韓国対外経済政策研究院が27日に発表した報告書「中国の半導体国産化推進の現況」によると、中国は電気自動車(EV)と電力貯蔵システム(ESS)などに使われる次世代パワー半導体(SiC、GaN)に対して、技術主導権を先取りするための支援および競争力の拡大を進めている。報告書は「米国に続きオランダや日本も中国への半導体製造装置の輸出を統制する措置に乗り出す予定である中、半導体装置の海外依存度の高い中国は国産化でこれに対応している」とし、「先端半導体は製造工程に対する様々な特許の壁により、中国が技術の難関を克服するのは容易でない一方、次世代パワー半導体分野では中国が今後5~10年以内にリードしうるとみられている」と分析した。次世代パワー半導体の場合、スイスやイタリア企業であるSTマイクロエレクトロニクス(STM)が中国の重慶市に32億ドルを投資し、2025年までにパワー半導体の生産工場建設を進めている。パワー半導体は韓国の「K-半導体戦略」の主軸分野の一つ。

 2022年基準で中国は日本、米国、シンガポール、韓国、台湾の順で半導体製造装置を輸入している。中でも日本の装置の輸入依存度は37.2%に達する。中国は米国の対中国半導体制裁が比較的弱い先端半導体チップ設計(ファブレス)の能力の蓄積に向けて、集中的に投資を行っている。中国は2017年頃から半導体設計分野の成長が進んでおり、中国の半導体ファブレスは2014年の681個から2021年には2810個へと4.1倍増加した。同期間、ファブレスの売上高も4.3倍増加(2021年4519億元)した。百聯(バイレン)などファブレスのスタートアップは、高性能グラフィック処理装置(GPU)設計能力を保有しており、2022年には中国の半導体分野(設計・製造・後工程)の特許出願件数が6万513件(設計分野53.8%)に達するなど、特許技術の保護に乗り出している。先端半導体設計分野の競争力をみると、華為技術(ファーウェイ)はパッケージング(ウェハー包装後工程技術)、極紫外線リソグラフィ(EUV)、電子設計自動化(EDA)などの分野で特許を出願しており、阿里巴巴(アリババ)や字節跳動科技(バイトダンス)、騰訊控股(テンセント)などは人工知能(AI)チップ設計に着手した。

 2022年時点で中国の半導体製造装置の国産化率は35%で、対前年比14ポイント上昇した。北方華創科技(NAURA)、中微半導体設備(AMEC)などが政府の投資支援などを通じて早く技術力を確保し、エッチングや薄膜、蒸着などの工程分野で国産化率を大幅に高めている。中国の半導体製造競争力は、グローバル先頭企業に比べNANDフラッシュは2年、DRAMは5年程度の技術格差が存在しており、中央処理装置(CPU)、DRAM、NANDフラッシュ分野の国産化率は2021年基準でまだ一桁に過ぎないとみられる。

チョ・ゲワン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1097676.html韓国語原文入力:2023-06-28 02:46
訳H.J

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