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韓国の対中経常収支、21年ぶりの赤字…対米経常収支は2年連続で最大の黒字

登録:2023-06-23 06:41 修正:2023-06-23 07:49
韓国銀行「2022年地域別国際収支」暫定統計を発表 
対中輸出減少と輸入増加で経常収支が77.8億ドルの赤字 
対米経常収支は輸出好調で2年連続で最大の黒字を記録 
EUとの経常収支も10年ぶりに黒字転換
ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 韓国は昨年、中国との交易と投資、人的交流で21年ぶりに赤字を出した。一方、米国とは過去最大の経常収支黒字を出し、欧州連合(EU)との経常収支は10年ぶりに赤字から黒字に転じた。

 韓国銀行が22日発表した「2022年地域別国際収支」(暫定)統計によれば、対中国経常収支は2021年234億1千万ドルの黒字から、昨年は77億8千万ドルの赤字に転じた。これは中国が世界貿易機関(WTO)に加盟した2001年に7億6千万ドルの赤字となって以来初めて発生した年間赤字だ。昨年、韓国全体の経常収支は298億3千万ドルを記録し、前年(852億3千万ドル)に比べ黒字幅が554億ドル減。そのうち同期間の対中経常収支は311億9千万ドル減で全体減少幅の56.3%を占めた。

 対中経常収支が悪化した最大の原因は商品収支だった。対中輸出(2021年1365億6000万ドル→2022年1232億2000万ドル)は9.8%減少した一方、輸入(1209億8000万ドル→1332億8000万ドル)は10.2%増え、商品収支だけで100億6000万ドルの赤字を記録した。韓銀関係者は「対中輸出は機械や精密機器、石油製品などを中心に減り、半導体輸出の増加傾向も大きく鈍化した一方、レアアースのような原材料と化学工業製品などを中心に輸入が増加した」と説明した。旅行収支と運送収支などが中心のサービス収支も、28億8千万ドルの黒字から5億9千万ドルの赤字に転じた。対中サービス収支は「THAAD(高高度防衛ミサイル)問題」の影響で中国旅行客入国が急減した2017年(9億2千万ドル赤字)以来5年ぶりの赤字だ。

 対中経常収支の悪化を挽回したのは米国とEUだった。特に対米経常収支黒字は、2021年の455億4000万ドルから昨年は677億9000万ドルへと222億5000万ドル増加し、過去最大記録を2年連続で更新した。自動車輸出の増加などに支えられ、商品収支だけで過去最大の563億8千万ドルの黒字を達成した。利子や配当など投資所得に賃金所得の流出入まで含む第一次所得収支も92億4千万ドルから137億9千万ドルと2年連続で過去最大の黒字記録を更新した。サービス収支は運送収入の増加などに支えられ-40億9千万ドルから-20億2千万ドルに、赤字幅を20億ドル以上減らした。

 EU加盟国とは昨年、全体70億4千万ドルの経常収支黒字を記録し、2012年(15億1千万ドル)以来10年ぶりに黒字転換した。自動車や石油化学製品など中間財の輸出好調で商品収支の黒字幅(101億3千万ドル→131億4千万ドル)が拡大し、配当収入が増え、第一次所得収支も23億ドルの赤字から18億5千万ドルの黒字に転じた。

 日本との経常収支は177億8千万ドルの赤字を記録し、前年(-222億ドル)より赤字幅が減った。一方、中東地域との経常収支は、国際原油価格の上昇による原油輸入額の増加により、前年(-479億8000万ドル)より400億7000万ドル増えた880億5000万ドルの赤字となった。東南アジア地域とは原材料輸入増加などで経常収支黒字が1023億6千万ドルから802億3千万ドルに減少した。

 昨年の国際収支金融アカウントで韓国人の国外直接投資を国家・地域別にみると、米国に対する投資は282億7千万ドルから278億5千万ドルに減った。東南アジア(142億5千万ドル→153億4千万ドル)と中国(55億1千万ドル→72億9千万ドル)に対する直接投資は増加し、韓銀が金融アカウントを国家・地域別に集計し始めた2006年以後、過去最大値を記録した。EUに対する直接投資は62億4千万ドルから64億4千万ドルに小幅増加。外国人の国内直接投資は、米国(41億8000万ドル→9億8000万ドル)、東南アジア(54億6000万ドル→30億1000万ドル)、中国(15億6000万ドル→7億7000万ドル)などでいずれも減少した。

パク・スンビン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1097127.html韓国語原文入力:2023-06-22 22:03
訳H.J

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