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韓国の貿易収支、15カ月連続で赤字…不況型赤字の様相も

登録:2023-06-02 06:25 修正:2023-06-02 08:48
輸入急減の影響で貿易赤字幅は減少 
半導体と対中国輸出不振続く 
「下半期の黒字転換は容易ではない」
/聯合ニュース

 韓国経済を支えている輸出が8カ月連続でマイナスを記録し、貿易収支は15カ月連続で赤字が続いている。貿易赤字幅が多少減少したものの、輸出が増えたわけではなく、輸入が急速に減ったことにともなう不況期の様相を呈している。上半期には景気が低迷しても、下半期には景気が回復するといういわゆる「上底下高」の期待とは裏腹に、半導体と対中国輸出不振からは持ち直しを兆しがなかなか見えない。

 産業通商資源部が1日発表した「5月の輸出入動向」によると、先月の輸出額は522億4千万ドルで、昨年同月より15.2%減り、輸入額は543億4千万ドルで、14.0%減少した。貿易収支は21億ドルの赤字で、前月(26億1千万ドル)より赤字幅がやや減った。5月の貿易収支は昨年3月以来15カ月連続で赤字だが、赤字幅は1月(125億3000万ドル)をピークに、2月は53億2000万ドル、3月は47億4000万ドル、4月には26億5000万ドルに減少傾向を示している。

 貿易赤字の幅が多少改善されたことには急激な輸入減少による影響が大きかった。今年1月には輸出が16.4%減少した一方、輸入は2.8%の減少にとどまり、貿易収支赤字が月間基準で歴代最高額を記録した。以後、輸入減少率が3月6.4%に高まり、4月(-13.3%)以後の輸出減少率とほぼ同じ水準になった。

 輸出不振は依然として続いているが、輸入が減少したことで赤字が減ったわけだ。景気回復の遅れに伴い、国内生産が鈍化し、各種原材料の輸入需要が減った影響で、典型的な不況期の様相と呈している。実際4月の産業活動動向によると、製造業生産は前月より1.2%、出荷は4.6%それぞれ縮小し、在庫率(出荷/在庫)が関連統計を作成し始めた1985年以来最も高かった。生産した製品が売れず倉庫に残っていることを受け、企業が生産を調節しているのだ。

 品目別では、自動車(49.4%)と二次電池正極材(17.3%)を除いては、15大主力輸出品目の大半が二桁の減少率を示した。最大輸出品目の半導体の5月の輸出額は73億7千万ドルで、昨年同月(115億4千万ドル)より36.2%減少した。半導体一品目だけで月間全体貿易赤字の2倍である42億ドルが減少した。半導体の輸出増加率は昨年8月以降10カ月連続でマイナスだが、今年に入ってからは減少率が30~40%台に高まった。

 主力品目のメモリー半導体も価格の下落傾向が続いている。DRAMの固定価格は昨年6月3.35ドルから先月1.40ドルに、NAND型フラッシュの固定価格は昨年5月4.81ドルから3.82ドルにさらに低下した。これは需要回復が遅く、在庫圧迫が依然として残っていることを意味する。産業部は「下半期からはメモリー減産の効果と在庫切れなどの影響が現れるだろう」とし、「操業日数を基準にした一日平均輸出額が昨年10月以後初めて24億ドル台を回復した点も肯定的」だと説明した。

 地域別では輸出の減少傾向がさらに広がっている。4月には欧州や中東、ロシア地域の輸出は増加したが、5月にはロシアを除いてすべての地域で減少した。中国が前年に比べて20.8%減少したことをはじめ、米国(-1.5%)、東南アジア諸国連合(ASEAN、-21.2%)、欧州連合(EU、-3.0%)、中南米(-26.3%)、中東(-2.6%)の6大主要地域への輸出がいずれも減少した。ただし、5月の対中輸出は106億2千万ドルで100億ドル台を回復した。

 全国経済人連合会が輸出主力業種150社を対象にアンケート調査した結果によると、回答した企業らは今年下半期の輸出が昨年同期に比べ平均1.3%減少すると見通した。韓国貿易協会のチョ・サンヒョン国際貿易通商研究院長は「対内外経済環境が明確な好転の兆しを見せておらず、年末まで輸出の黒字転換は容易ではないだろう」と予想した。

キム・フェスン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1094255.html韓国語原文入力:2023-06-02 02:49
訳H.J

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