世界のテレビ市場(売上高による)が3期連続で縮小した。
市場調査会社「オムディア」の22日の発表によると、第3四半期の世界のテレビの市場規模は248億9000万ドルで、昨年同期の286億4000万ドルに比べて13.1%縮小した。第1四半期は257億ドル、第2四半期は218億ドルで、昨年同期に比べそれぞれ6.3%、18.8%縮小している。出荷台数は第3四半期が5039万台で、昨年同期と同水準。
市場の縮小は、世界のテレビ市場シェアで1位と2位を走るサムスン電子とLG電子にも影響を及ぼした。サムスン電子の第3四半期の映像機器(テレビ、モニターなど)の売上は2兆4102億ウォン(約2510億円)で、昨年同期(3兆2019億ウォン、約3340億円)に比べて32.7%減少した。LG電子の第3四半期のHE事業部門(テレビ、オーディオなど)の売上は3兆7121億ウォン(約3870億円)で、前年同期に比べ11.2%減少した。
今年第1~第3四半期を通じてのテレビ市場シェアでは、サムスン電子が30.2%で1位を保った。LG電子は17.0%で2位だった。中国のTCLが9.3%、同ハイセンスが8.6%、日本のソニーが8.0%と続いた。
サムスン電子とLG電子はプレミアム、超大型製品中心の販売戦略を強化している。サムスン電子はネオQLEDやライフスタイルTVなどを前面に押し出し、第1~3四半期に2500ドル以上のプレミアム市場におけるシェアは51.1%(金額による)にのぼった。第4四半期もプレミアム製品の販売を強化する計画だ。LG電子も同期間のテレビの総売上に占めるOLED(オーレッド)テレビの割合を33.7%に、対昨年同期比で0.9ポイント高めた。
世界のテレビ市場は、当面は縮小する見通しだ。キウム証券のアナリスト、キム・ジサン氏は「ウクライナ戦争やインフレなどの影響で、欧州と北米の市場では需要の減少が続いている」とし「当面は、サムスン電子のテレビ事業はどうにか黒字を維持し、LG電子は赤字が続くだろう」と語った。LG電子は市場在庫の累積を防ぐため、出荷量の調整に乗り出している。