韓国の65歳以上の高齢者人口が、今年初めて900万人を超えたことが分かった。働くことを希望する高齢者は全体の半分を超えていた。
統計庁が29日に発表した「2022年高齢者統計」によると、今年7月1日現在で国内の65歳以上の高齢者人口は901万8000人で、昨年に比べて5.2%(44万7000人)増えた。高齢者人口が900万人を突破したのは初めて。総人口(5163万人)に高齢者人口が占める割合も17.5%に膨らんだ。
統計庁は、2025年には韓国の総人口に占める高齢者の割合は20.6%に上がり、超高齢社会に突入するとの見通しを示した。国際基準では、総人口に占める65歳以上の割合が14%以上になると高齢社会、20%以上になると超高齢社会と呼ぶ。韓国が高齢社会から超高齢社会へと移行するのにかかる時間は7年で、日本(10年)、米国(15年)、英国(50年)などよりはるかに短い。世帯主の年齢が65歳以上の高齢者世帯も、今年は総世帯数の24.1%に留まっているが、2050年には全体の半分の49.8%にまで増えると見通された。
家族と老後の準備に対する考え方も変わりつつある。家族が両親を扶養すべきだとする考え方は、2010年の38.3%から2020年には27.3%へと低下した。いっぽう、家族、政府、社会が共同で責任を負うべきだとする回答の割合は、同じ期間に37.8%から49.9%へと高まった。本人と配偶者が自ら生活費をまかなっている高齢者の割合は65%に達した。子どもや親戚からの支援は、10年間で39.2%から17.8%へと大幅に減少した。
高齢者のうち老後に備えている人は56.7%だった。このうち48.4%は老後の備えとして国民年金をあげた。高齢者全体の半分を超える54.7%は就業の意思があると答えた。その理由としては、生活費の足しにするためとの回答が53.3%で最も多かった。
昨年現在の高齢者世帯の純資産(資産-負債)は4億1048万ウォン(約4140万円)で、1年前より17.4%(6094万ウォン、約614万円)増えた。総資産の80%あまりを占める不動産の価格上昇のおかげだ。2019年現在の国内の66歳以上の引退年齢層の相対的貧困率(人口調査対象者全員を所得順に並べた時、真ん中に位置する人の所得の半分以下の所得しかない人の割合)は43.2%だった。これは経済協力開発機構(OECD)加盟22カ国中で最も高い水準。韓国の高齢者の貧困率(相対的貧困率)はフランス(4.4%)の10倍、米国(23.0%)の2倍ほどに達する。