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米EV補助金、韓国車が100万円高くなる…WTO提訴検討

登録:2022-08-25 20:13 修正:2022-08-26 06:42
米国外生産のEVメーカーは補助金から排除…差別的措置 
中間選挙控えた米国内では好評…法改正は容易ではなさそう 
韓国外交部「米国に柔軟性を要請…」EUなど他国との協力」
ジョー・バイデン米大統領(中央)が16日、ホワイトハウスで「インフレ抑制法」(IRA)に署名している=ワシントン/AP・連合ニュース

 韓国産EV(電気自動車)に対する差別的措置が盛り込まれた米国の「インフレ削減法」(IRA)に対して、韓国政府が米国側に法執行の過程で柔軟性を発揮してくれるよう要請することにした。また、国際通商規範違反の素地があるため、世界貿易機関(WTO)への提訴、及び韓米自由貿易協定(FTA)の紛争解決手続を踏む方案も検討することにした。

 韓国外交部の当局者は25日、記者団と会い「当該法は基本的に米国内で作られた車と輸入車に対して補助金を差別的に支給するという内容で、FTAとWTOの規定違反に該当しうる」とした。

 これに先立ち、ジョー・バイデン米大統領は16日、気候変動対応と保健医療分野の支援拡大、大企業への増税などを骨格としたインフレ抑制法に署名した。特に、気候変動対応のためにEVの普及拡大を推進し、米国をはじめとする北米で完成した車両に補助金の支給対象を制限し、韓国をはじめ米国市場にEVを輸出してきた外国の自動車メーカーが被害を被ることになった。

 外交部当局者は「当該法が発効し、補助金の支援を受けられなくなり、韓国産EVの価格が相対的に1000万ウォン(約100万円)ほど突然上がることになる」とし「わずか10日で米議会の上・下両院を通過し大統領が署名までするなど、異例な早さで立法がなされ、手を尽くす隙もなかった」と話した。

 11月の中間選挙を控え、民主党が主導して通過させたインフレ抑制法は、気候変動対応と中産層の生活安定化のための内容が大幅に盛り込まれている。韓国国内ではEV業界の被害を懸念しているが、米国内では良い評価を得ているという。外交部当局者は「中間選挙を控えた民主党にとっては好材として作用しているため、国際通商規範違反の素地があるとはいえ早急な法改正は容易ではなさそうだ」と話した。外交部はこれに伴い、様々なルートを通じて米国の政府と議会側に差別的条項の問題点を説明し、猶予期間の設定など法適用の過程で柔軟性を発揮してくれるよう要請している。外交部当局者は「まだ具体的な話が出たわけではないが、欧州連合(EU)加盟国や日本など、同じ立場に追い込まれたEV生産国と共助する案も検討している」と話した。

チョン・インファン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1056210.html韓国語原文入力: 2022-08-25 18:39
訳J.S

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